福本 素由己

福本 素由己

院長
MOTOYUKI FUKUMOTO

まず、はじめにお伝えしたい事は、こころの病、からだの病に関わらず、やはり早期発見、早期治療が治療の大原則です。決して自分ひとりで悩まれずに、一度わたしたちにご相談ください。

当院は、薬物療法のみならず、精神療法(カウンセリング)、漢方薬治療、睡眠の質を調べる検査や、各種心理検査も行なっております。「忘れっぽい」「やる気が起こらない」「眠れない」などの症状はもちろんですが、「常にイライラする」「仕事、学校に行きたくない」「人と話す、計画を立てるのが苦手」「お酒をやめられない」など、どのように相談をしていいか分からない事や、「頭が痛い」「むくみやすい」などからだの不調もあり、どの診療科にかかればいいのか分からずお悩みの方も、一度お気軽に訪れて頂ければと思います。

わたしの経歴を少しだけお話しますと、天下の名城「姫路城」を仰ぎ見つつ思春期時代を送りながら、精神医学を志し、大阪大学大学院で、主に認知機能と統合失調症、発達障害の関わりを研究してきました。そして、二人の恩師、前院長今川先生と前大阪大学大学院精神科教授武田雅俊先生から認知機能と認知症について御指導を賜り研鑽を積んで参りました。

「こころの病は、からだの病がない事の確認からはじまる」というのが当院の基本的な考えですので、からだの病の診断や治療にもできる限りご相談に乗りたいと思っています。男性、女性、若い方からご年配の方々まで、心身の健康と快適な生活を送れるようお手伝いさせて頂きたいと考えております。

専門分野 認知症
統合失調症
うつ・不眠・適応障害
思春期・スポーツ精神医学
プロフィール 兵庫医科大学医学部卒業
大阪大学精神医学教室 医学博士取得
大阪急性期・総合医療センター 精神科 等
認定 精神保健指定医
認知症サポート医
認定産業医(日本医師会)
認知症診療医(公益社団法人日本精神神経学会)
障がい者スポーツ医(公益財団法人日本障がい者スポーツ協会)
学会 日本精神神経学会 専門医
日本老年精神医学会 専門医
日本認知症学会
日本睡眠学会
日本臨床精神神経薬理学会
日本総合病院精神医学会
日本内科学会
日本認知症予防学会 等

武田 雅俊

武田 雅俊

医師
MASATOSHI TAKEDA

精神医学は人の異常行動を対象とする学問です。人は社会の中で行動を通貨のように使用しながら生活を営んでいます。人は社会という外界から受ける刺激を認知することにより適切な行動を選択しますので、認知と行動は一体となり互いに影響しながら社会生活の通貨として機能しています。
人の行動は少なからず無意識により規定されていることも知っておかねばなりません。その人の心理的状態によっても行動は変化します。同じ外的刺激に対する行動であっても、教育レベルや経験によって異なる行動を示します。また、その人の癖や嗜好や性格によっても外界に対する反応は異なります。癖や嗜好や性格により自分の行動が影響されていることについてはあまり意識されていないかもしれません。精神疾患は外界刺激の認知機能を大きく変化させることにより、その人の行動を変化させますし、精神疾患により人の行動パタンは大きく変化します。異常行動を直接の対象とする精神医学にとって、認知機能が極めて重要であることをご理解いただけると思います。

認知機能とは、外界からの刺激や情報を基にして自分の反応・行為・行動を決定する機能のことであり、注意力、実行機能、記憶・学習、言語、知覚・運動、社会認知などが含まれます。

思い返しますと、精神科医となった翌年にDSM-Ⅲ(1980)が発表され、DSM-Ⅳ(1994)、DSM-5(2013)の改訂作業を通じて、私が経験した精神医学は、サイエンスとしての基盤を確立しようとして進んできた時代でありました。サイエンスとなるためには精神疾患の正確で妥当な診断がまず必要とされました。診断の信頼性を高めようとするあまりに極端に操作的診断基準を取り入れすぎたのかもしれません。これからの精神医学には、ようやくサイエンスの対象として評価できるようになった診断の信頼性を犠牲にすることなく、診断の妥当性をサイエンスとして検証していくことが求められます。

私は、精神科医となってからこれまで40年以上臨床と研究に携わってきましたが、その活動のすべては人の認知機能を理解することであったと言っても過言ではありません。専門としてきたアルツハイマー病型認知症は認知機能障害が前景に出ている病気ですが、多くの精神疾患においても認知機能の障害が注目されるようになりました。統合失調症患者では注意力、言語性記憶、実行機能、言語流暢性などが健常者と比較して低下しています。うつ病、不安障害、双極性障害でも、注意機能を中心に多くの認知機能障害が見られます。うつ病ではうつエピソードを繰り返すほど遅延再生記憶が障害されることが知られています。

これらの知見を踏まえて、日々の臨床に活かしつつ、精神医学の発展に幾何かでも寄与できることを願っています。

専門分野 認知症の神経科学・アルツハイマー病型認知症に関する研究
精神疾患における認知機能と行動異常の神経科学的研究
プロフィール 大阪大学医学部卒業
大阪大学精神医学教室 教授(平成27年3月31日まで)
今川クリニック精神科(平成27年4月)勤務
認定 日本精神神経学会専門医・指導医
日本老年精神医学会認定医・指導医
日本老年医学会認定医・指導医
日本認知症学会専門医・指導医 他
学会 日本精神神経学会
日本老年精神医学会
日本認知症学会
日本統合失調症学会
日本未病システム学会他、国内外多数