徘徊

今川クリニックの院長ブログ

アルツハイマー病の周辺症状のひとつに徘徊がある。徘徊は、方向感覚の著しい欠如に由来する。例えば、「故郷に帰ろう」という強い思いから、本人自身は混乱しながらも、飲まず食わずの状態で思うがままに歩いている訳である。この現象は視覚性認知の衰えに拠るものであり、やや高度の認知障害の段階で生じる。対策は様々であるが、患者本人の故郷に帰りたいという一念を抑えることは出来ない。

認知症患者の徘徊による行方不明や事故が深刻な社会問題となっている今日、家族や介護にあたる者の負担は大きく、頭の痛い問題である。

 

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