今回も重複することがありますが、その点はお許しください。
ADには若年性(19歳から64歳迄)と、老年型AD(基本的には65歳から85歳迄)に分類されております。
ADが急速に増加傾向にあるのは、脳内出血の減少と癌の治療法の進歩かつ感染症の減少が想像できます。
その上、日本は少子高齢化の社会であり、平成10年以降人間関係の変化、つまりは、アナログ型人間の減少とデジタル型人間の増加現象が、ADの発症に影響を与えていると推定します。
また、地球の大気圏の汚染も、重要な一つの因子であると思われます。
このような条件下で、少なくとも日本人は生活している訳です。
危険因子は幾つかに分類されます。一応、リスクの高い順に述べます。
①年齢
②家系
③定年退職
④高齢者の転居
⑤ストレス
⑥糖尿病・心疾患
⑦食生活
⑧一人暮らし
⑨運動量の低下
以上が大体のAD発症の危険因子です。
それでは、危険因子を一つずつ述べていきます。
①年齢
人間も動物(高等哺乳類)であること。その意味することは、ホモ・サピエンスの種の保存がヒトを生み出す、つまりは種の存続が、生命誕生以来の法則です。
個体=現代の日本人(ヒトであり、霊長類でもある)は、自然の法則(年齢)から観て、通常は人口が三角形になっていることが生命誕生以来の流れです。しかし、現状の日本人の人口数は、逆三角形に変化しています。
この法則が破たんしている理由は、科学技術と医学及び臨床医学の進化によるものです。これらの進化が無ければ、自然の流れは従来どおり三角形の方向に向かっているでしょう。しかし、この国では65歳以上の高齢者が増加の一途を辿っています。それに引き換え、出産率は低下し子供の数が減少している訳です。この現象は複雑多様であり、実際政府の泣き所でしょう。高齢化がAD発症の要因の一つです。
②家系
私が臨床の場でADの患者の家系を調べると、三世代にわたりADに罹患し、亡くなっておられる家系があります。また、癌になり、その後5-10年の月日を経てADになっている家系があります。更に、癌家系の中からADになっている家系も観ています。
つまりは、遺伝的要因であります。
③定年退職
定年退職後のサラリーマンは、これまでとは全く違った生活リズムへと変化するのが常であります。何十年と勤め上げてきた勤勉実直な人ほど、退職後の方向転換した時間の流れに戸惑う事でしょう。
その中で、日々自ら計画を立て自立性を保ち続け行動する事は、簡単な様で非常に難しいことです。「目的もなくただ過ぎて行く時間」の流れに乗ってしまう事、それがAD発症の要因と考えます。
④高齢者の転居 以降は、次回に述べさせて頂きます。
2013/3/1 今川 正樹