今年に入って、テレビ、新聞などで介護の実態を取り上げた番組や記事が増えている。その理由は、認知症特にアルツハイマー病を根本的に治療する薬が見つからないからである。進行を一時抑えたとしても、最終的には、会話が出来なくなり、独り歩きも不可能となる。そして、床から起き上がることも不可能となる。
認知症が進むと、自然発生的に介護問題が、家族の上に重く圧し掛かる。経済的負担を考慮すると、入所できる介護施設は限られており、更には、重症患者を手厚くサポートする介護施設は少ないと言われている。
最後は家族しかないのである。近年増え続ける老老介護の重くて暗い情景が、忍び寄る超高齢化社会を物語っている。
残された道は超早期発見であろう。「私だけは大丈夫」と過信せず、少しでも体の変化を感じたら、早目に認知症専門医に診てもらうことをすすめる。
2015/2/27 春風のなか
今川 正樹