旬の食べ物が豊富な豊穣の、食欲の秋が本格的にやってまいりました。皆様はどうおすごしでしょうか?
今回も、認知症予防法であらたな研究成果を御紹介したいと思います。
2021年5月9日、NHK 健康チャンネルからご紹介いたします。
認知症とは?さまざまな原因
認知症とは、脳がダメージを受けて記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障が出る状態をいいます。一度発症してしまうと元の状態に戻すのは多くの場合困難で、治療は進行を抑えることが主な目的となります。最近になって、認知症予防に効果的な方法が明らかになりつつあるので、予防を意識することが大切です。
認知症は、さまざまな脳の病気が原因で起こります。原因の約7割を占めるアルツハイマー病は、脳にアミロイドβたんぱくという物質がたまり、神経細胞が傷害されて脳が萎縮していく病気です。次に多いのが、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を原因とする脳血管性認知症で、約2割を占めます。最近注目されているのがレビー小体型認知症で、脳の中にレビー小体と呼ばれる特徴的な構造物が出現し、それによって神経細胞が減少します。そのほか、50歳代などの若い人に起こりやすい前頭側頭型認知症と呼ばれるものもあります。
認知症のリスクを高める生活習慣病
近年、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が、認知症のリスクを高めることが明らかになってきました。生活習慣病が適切に治療されない状態が続くとアルツハイマー病を発症しやすくなりますので注意が必要です。特に、糖尿病の場合はリスクが2倍になります。また、生活習慣病は動脈硬化を加速させて脳梗塞や脳出血を引き起こす危険性があり、そのため脳血管性認知症の原因になります。
一方で、生活習慣病の予防や適切な管理は認知症の予防につながるため、食生活の改善や適度な運動、禁煙など、日々の生活を見直すことが大切です。すでに生活習慣病がある場合は、その病気に対する薬の内服など適切な治療を受けましょう。当院では、内科の治療特に生活習慣病の治療に力を注いでおりますので、是非ご相談ください。
今回も御一読いただき誠にありがとうございました。
文献1)2021年5月9日 NHK 健康チャンネル
文献2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社