児童精神医学について
子どもの心の健康に関する取り組みは、子どもに焦点をあてた医学・医療のみで取り組むべきものではなく、子どもを取り巻く家族、仲間、学校、社会など、さまざまな次元で評価し、関わっていくことが求められます。
乳幼児から思春期までの子どもを対象とした精神医学である児童精神医学には、成人の精神科臨床と異なる点がいくつか存在します。子ども特有の疾患があることもそうですが、発達段階に応じた評価を実施する必要があること、非言語的コミュニケーションが重要であること、また様々な症状を養育者等との関係性の文脈で評価をする必要があること、などがその特徴としてあげられます。また、子どもは可塑性が高いため、その健康的な側面に働きかけていくという「成長を支える」視点を持つことが重要となります。
子どもと大人には連続性があり、精神疾患の多くは児童青年期に始まっています。最近注目されることの多い発達障害に限らず、不安障害、気分障害、統合失調症、パーソナリティ障害の診断、治療においても児童精神医学の理解は重要です。
当院では、医師、看護師、公認心理師が連携し、それぞれお一人お一人の個性や考え方、趣味や嗜好も出来るだけ理解した上で、しっかりと検査の結果を踏まえた上で、児童という年齢から出来るだけお薬が多くならないこと、出来れば薬を飲まなくて良いということを理念に診察をすすめていきます。 様々な検査が全てお薬を減らし、最終的に通院しなくてよい環境作りのためとご理解頂き、ご協力頂けたら幸甚です。
児童精神科医の役割
- 子どもの心の状態を評価し、診断を行う
- 子どもの年齢や発達段階に合わせた治療計画を立てる
- 薬物療法や心理療法などの治療を行う
- 家族や学校と連携し、子どもの成長をサポートする