認知症新薬 期待されるその独自の効果とは?

今回も日本経済新聞の記事から認知症新薬についてお話しさせて頂きます。認知症新薬について期待される新たな効果とは、

記事を掲載させて頂きますのでご一読ください。

アデュカヌマブが注目されるのは、認知症そのものへの効果が期待できるからだ。これまでの認知症関連の治療薬にはエーザイが1997年に発売した「アリセプト」などがあるが、一時的に認知機能を改善する効果にとどまる。バイオジェンとエーザイは20年の初めにもFDAにアデュカヌマブの承認を申請する方針で、最短で21年にも認知機能の低下を抑える世界初の治療薬として発売できる可能性がある。

アルツハイマー病を中心とする認知症患者は15年時点で世界に4600万人、50年には1億5000万人まで増えると予想される。市場規模は大きく、アデュカヌマブは年間売り上げが1000億円を超える新薬「ブロックバスター」となる可能性がある。国内証券アナリストは「年間3000億~4000億円はいける。1兆円を超える潜在力もあるだろう」と評価する。

つまり今までの認知症治療薬は進行抑制の効果が期待できるものだったのに対し、認知症新薬は根本治療の可能性が示唆されています。それでかなりの期待が寄せられています。

本当に画期的な薬になる可能性を秘めています。

ただ、この認知症新薬にはまだクリアすべき問題点が多くあります。次回はその問題点についてお話させて頂きます。

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。

文献1)2019年12月9日 日本経済新聞

2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社

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認知症新薬 専門医たちの評価は?

今回も日本経済新聞 認知症新薬についての記事からお話ししたいと思います。

気になる認知症専門の先生方の評価について記事の続きを掲載させて頂きます。。

学会に参加した東京大学の岩坪威教授は「認知機能に関するデータは、ポジティブに受け止められた」と話す。アデュカヌマブは患者の脳内に蓄積したたんぱく質の「ゴミ」を取り除く効果がある。3月に米国での治験を監督する第三者機関から有効性を証明するのは難しいと判断され治験を中止した経緯があるが、バイオジェンは高用量を投与した患者のデータを改めて公表した。岩坪教授は「投与量が増えると効果が出ることが明確に示された」と話す。

株式市場も買いで答えた。5日の米市場ではバイオジェン株が一時7%高まで買われた。6日の東京市場ではエーザイ株は一時前日比8%(604円)高の8399円と1カ月半ぶりの高値をつけた。両社の株価は3月に急落した後、10月にはアデュカヌマブの有効性を再確認して米食品医薬品局(FDA)に承認申請すると発表して急回復した経緯がある。今回の学会発表でその具体的なデータを示したかたちだ。

こうして非常に注目が集まる認知症新薬なのですが、これだけ注目されているのは、今までの認知症治療薬にはない素晴らしい効果が期待されているからです。

次回はその認知症新薬に期待される独自の効果についてお話しさえて頂きます

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。

文献1)2019年12月6日 日本経済新聞

2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社

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認知症新薬 開発に成功か?

昨年末に報道され、大変話題になったのが、認知症の新薬がアメリカで認められるかもしれないというニュースでした。もうご存知の方も多いかもしれませんが改めてお伝えしたいと思います。日本経済新聞から2019年12月26日のニュースです。

「認知症新薬、異例の再挑戦 エーザイとバイオジェン」

米バイオジェンとエーザイが開発するアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の臨床試験(治験)データが5日、明らかになった。認知機能の低下を2割ほど遅らせる効果を示し、学会や株式市場から大きな注目を集めた。一度は有効性の証明が難しいと判断されて治験の中止に追い込まれた新薬で、再び米当局の認可の取得を狙う異例の展開になる。2021年にも認知症の進行を遅らせる世界初の治療薬が誕生する可能性が出てきたが、実用化までのハードルは高い。

5日午前8時(日本時間6日午前1時)。米カリフォルニア州サンディエゴで開かれた国際学会「アルツハイマー病臨床試験会議」の会場は約1500人の定員を超え、立ち見も出るほどの盛況だった。バイオジェンの開発担当者はアデュカヌマブの投与量を増やした患者の認知機能の低下が22%抑えられたほか、日常生活への影響も40%抑えるデータを報告した。

非常に良い結果が出た認知症新薬ですが、次回は専門医の先生方のご意見や、開発した会社に対する評価のお話もできればと思います。認知症治療の専門医として私も早く、多くの新薬が使用できることを心待ちにしております。

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。

文献1)2019年12月6日 日本経済新聞

2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社

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新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

昨年4月には、診療時間も以前と同様の体制に戻すことができ、また6月には院長就任から1年を迎えることができました。これも皆様のご支援、ご指導、ご協力の賜物と感謝しております。本当にありがとうございました。  

新しい年を迎えまして、今後さらに患者様、ご家族の皆様のお役に立てるよう努力してまいる所存です。とくに、おひとり、おひとりにあった認知症治療、不眠治療そのほかメンタル不調でお困りのすべての方への治療のあり方を工夫してまいりたいと思っております。クリニックの雰囲気、治療のあり方、などなど改善すべきことがありましたら、遠慮せずにお申し出ください。

また、昨年度、政府は認知症大綱で、『予防と共生』というテーマを発表しました。当クリニックが長年取り組んできた認知症の早期発見、早期治療の重要性が理解され広く知れ渡ったと考えております。私自身も昨年度は、老年精神医学専門医を取得、今年度は早々に認知症サポート医、日本精神神経学会認知症治療医を取得する事となっており、 新たな知識、経験、資格を得てより一層認知症の予防、早期発見早期治療に取り組んでいければと考えている次第でございます。

その一環としまして、昨年度は当院で骨密度検査、骨年齢測定をできるよう機器を導入し、今年は血管年齢、動脈硬化指数を測定できる機器を導入予定としております。その他にも、今年度新しいことに色々取り組んで参りますので、 このブログを通じてお伝えできればと思っております。

本年もよろしくお願い申し上げます。

令和元年1月 

今川クリニック 院長 福本素由己

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年末のご挨拶

寒気厳しき折柄 あわただしい師走となり、何かとご多用のことと存じます。皆様の家庭では、すでに年末の準備がすすみ、一年で最も楽しみな時に備えておられる事と思います。

今年は、元号が平成から令和に移り、新時代の幕開けを感じつつも、令和が万葉集の和歌から選ばれたこともあり、日本の歴史にも触れる機会となり、温故知新、意義深い一年であったように思います。

当クリニックにおきましても前院長今川正樹が、医学と仁の道にその人生を捧げ全うされてから、6月で一年が経ちました。昨年は診療時間の変更など、患者様やご家族様に多大なるご迷惑をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げます。今年度からは、昨年までと同様の診療時間となりましたので、ひとまずご安心頂ければと思っております。

また、少しでも患者様、ご家族様に寄り添えるよう、令和2年1月には年に一度のアンケートも実施させて頂きたく思っております。その折には皆様にもご協力頂きましたらと何卒宜しくお願い致します。前回も大変多くの有難い貴重なお声を頂き、そのお声に沿う形で、本年は当クリニックでは初めてとなる試みで無料講演会、相談会を企画させていただきました。大変好評いただいきました。このように、頂いたご意見には真摯に向き合い、少しでもご要望に応えられるよう院長以下、スタッフ一同一層身を引き締めて診療に従事させて頂く所存であります。

また、小さな診療所で行き届かない事や患者様の期待や信頼に添えなかった事も少なくなかった事をお詫び申し上げます。私達の力だけでは限りがございますので、地域の中核病院(住友病院、関西電力病院、北野病院、大阪病院様など)や、地域の調剤薬局様やケアマネージャー・訪問看護師・介護施設とも連携をはかり、患者様のご期待に応えられるよう努力してまいります。当クリニックにご協力いただく全ての医療関係者の皆様にもこの場を借りて感謝の気持ちを述べさせていただきます。

どうかこの年末年始の機会に、ご家族やご友人と共に健やかな時を優しいお気持ちでお過ごしいただけたらと願っております。

皆様のご健康とご家庭の平安と益々のご活躍を期待して、年末のご挨拶に代えさせていただきたく思います。

良い年をお迎え下さいますようお祈りいたします。

令和1年12月

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摂取しすぎに注意すべき食材

今回も、たけしの家庭の医学 これ以上 脳を老けさせない!認知症2つの最新予防法SPから、お話ししたいと思います。

今回は前回とは逆に摂取に注意すべき食材についてです。

2017年、サウナ大国フィンランドの大学で約2千人対象の認知症研究が発表された。それによると、サウナに週4日以上入る人は認知症の発症数が約66%少ないことが分かった。サウナに定期的に入ると脳の血流が増加して神経細胞を刺激し、加齢による細胞の減少を食い止められたと考えられている。

血液の速さを計測するとサウナが最も血流がよく、さらに効率よく脳血流を上げて神経細胞を活性化するという。

たけしの家庭の医学では、サウナの効果で脳血流が良くなることが、認知症発症を少なくしたという結論でした。

ただ、イギリスの著名な医学雑誌 The NEW England Journal of Medecine に掲載された論文で、認知症発症が減少したという内容の有名な論文があるのですが、その際に注目されたのは塩分摂取量でした。ですから、サウナの効果で、脳血流がよくなっただけではなく大量の汗をかくことで、塩分を消費したことが認知症予防に役立ったのではないかと 当クリニックでは考えています。

ですから、認知症予防に摂取した方がいいのは、シークワーサー、控えた方がいいのは、塩分。と覚えていただければと思います。

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。

文献

1)2019年10月15日 たけしの家庭の医学

2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社

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脳の若返りに期待できるスーパー食材

今回もたけしの家庭の医学 これ以上 脳を老けさせない!認知症2つの最新予防法SPから、お話ししたいと思います。

今回は特にクリニックでも質問が多い、脳の若返りに係る食材です。

愛知県大府市にある「国立長寿医療研究センター」の遠藤先生によると、加齢で数百億個ある脳細胞の回路が分断されて認知症の可能性が高くなるという。遠藤先生はこの途切れた神経細胞にノビレチンを投与し、20時間後に細胞同士が繋がりを見せていた。このノビレチンはある食材にふんだんに含まれているという。認知症の専門医として30年以上に渡って患者を診察している遠藤先生によると、ノビレチンがあるマウスの方がアミロイドβが減ってボケにくいという。この酸を食わすものとはシークヮーサーで、この果物をかけて刺身を食べるのが良いと紹介された。

遠藤先生によると、シークヮーサーにはノビレチンが多い時期があると教えてもらった。シークヮーサーは9月から12月にかけて実がなり、熟すのは11月以降となっている。しかし、熟したものよりも青い方がノビレチンの含有量が2.5倍も多かった。シークヮーサーが収穫している所を見てみると、青い果実を製造ラインに入れて手作業で不的確な果実を覗いていた。その後、ジュースを絞る機械でシークヮーサーは皮付きで搾り取られていった。ノビレチンは皮に多く含まれ、苦みを感じるという。

という事で、シークワーサーが、脳の若返りにいいと番組で取り上げられ、その後かなり注目されているようです。

次回は、逆に取りすぎ注意、摂取しすぎに注意な食物についてお話ししたいと思います。

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。

文献1)2019年10月15日 

たけしの家庭の医学

2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社

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これ以上脳を老けさせない!認知症2つの最新予防法を見て

テレビ番組の人気ジャンルの一つに医療系番組がありますが、 特に最近は、毎日のように認知症予防についての番組があります。

当クリニックは20年前から認知症予防の重要性を前今川院長がずっと訴えていたのでうれしい限りです。その認知症予防にまつわる最新の医療技術を実際のテレビ番組を例に挙げてお伝えしたいと思います。

2019年10月15日、たけしの家庭の医学

【これ以上 脳を老けさせない!認知症2つの最新予防法】SPから。

まず、目につくのは、お化け屋敷で認知症発症リスクのチェックをするという点でした。詳しくお話ししますと、

これまで認知症の原因は脳にたまるアミロイドβという物質や、海馬と呼ばれる場所の萎縮などと言われてきたが、認知症の予防・改善のために、いま医学界で注目されているのが、脳の表面を覆う神経細胞の塊の部分。この脳の神経細胞が減り始めている人は、近い将来、認知症を発症する可能性が高いという。そして脳の名医、猪原匡史先生(国立循環器病研究センター 脳神経内科部長)によれば、身の危険や恐怖を感じた時の行動を見ると、脳の神経細胞が減り始めているかどうかがわかるという。 そこで今回は、脳の老化が気になる60代から70代の男女にご協力頂き、脳の神経細胞が減っているかどうかを検証。東京練馬区にある遊園地「としまえん」のお化け屋敷を貸し切り、全長200mの道のりの至るところにゾンビが出現する恐怖の中で、被験者たちがどのような行動を取るかをウォッチングした。最初に挑戦した嶋田さんはカメラ付きヘルメットを装着し、大きな悲鳴をあげながらもゾンビの恐怖を楽しんで出口に到着した。次に挑戦した田澤さんは1分でリタイアし、その次の関谷さんも恐怖のあまり息子さんと付き添ってお化け屋敷に入った。

果たして将来、認知症を発症するリスクがあるのは、どの行動なのか?実際に被験者の皆さんの脳をMRI検査で調べたところ、ある人の脳の神経細胞に減少の兆しがあることが発覚する……。

被験者の皆さんの脳を検証するとある行動をとった人の脳が正常値よりも神経細胞が約12%も減少していた。その行動とは田澤さんがとったすぐにリタイアするという行動で、恐怖に対して諦める事が脳の神経細胞の減少と関係があるという。

認知症の鍵をにぎる神経細胞の塊の中には、意欲ややる気を司る側坐核が減少しやすいという。この部分が低下すると、恐怖を感じた時にすぐ諦めるという。普段の生活でも、家事などをするのが億劫に感じる方は要注意となっている。

このように、認知症の初期症状である、「何事もすぐにあきらめる面倒くさがる」を見逃さないのが大事になってきます。 次回は、特に質問が多い、認知症予防に効果がある物質、食べ物についてお話ししたいと思います。

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。

文献1)2019年10月15日 たけしの家庭の医学

2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社

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ベルソムラとこれまでの睡眠薬との違い

今回は、改めて、ベルソムラの特徴を、まとめていきたいと思います。

<メリット>

• 自然な眠気を強くする

• ふらつき転倒のリスクが少ない

• 中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に有効

• 入眠障害にも効果が期待できる

• 依存性が極めて少ない(やめたいときに辞められる)

• せん妄を起こしにくい

<デメリット>

• 入眠障害には効果が不十分なことがある

• 眠気が残ることがある

• ジェネリックが発売されていない(薬価が高い)

特に以前からよく使われている、ベンゾジアゼピン系/非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は高齢者に使用していますと、ふらつき→転倒→骨折→長期入院→認知症悪化 というパターンが多かったので、その悪循環のパターンがなくなるのが一番のメリットだと思います。

ただ、最初の数日間は、寝つきがそこまでよくならないので、その期間は辛抱が必要です。その辛抱があれば、その後は、「朝がすっきり目覚められる。」と感じる患者様が多いです。

今、睡眠で悩んでいるけど、副作用が強いとか、依存があるという昔からのイメージで薬の治療を諦めていた方がいらっしゃれば是非ご相談ください。

最後に、このベルソムラは、2年ほど前に「ガッテン!」というNHKの番組で取り上げられ反響を呼んだので、その事にも少し触れたいと思います。以下は、ベルソムラの販売元である、MSDのホームページからの抜粋です。

【2017年2月22日放送NHK「ガッテン!」に関して】

2017年2月22日放送のNHK「ガッテン!」にて「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」という特集がありました。

その中で、弊社の不眠症治療薬であるオレキシン受容体拮抗薬を服用し、熟睡することで糖尿病が改善するという内容の放映がありました。

今回の番組はNHKが独自で企画・取材したものであり、MSDからNHKへ情報提供などは行っておりません。

ベルソムラは不眠症治療薬であり、糖尿病治療薬としての適応はございません。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

参考

 現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄    

e-ヘルスネット 厚生労働省

MSD connect 日経メディカル 2014/10/14の記事

榎本みのり 認知症の睡眠障害. 老年医学 45:739-743, 2007.

三島和夫 高齢者・認知症患者の睡眠障害と治療上の留意点. 精神医学 49:501-510, 2007.

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(精神保健研究所・精神生理部)

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スボレキサント(ベルソムラ)

以前にこのブログでもご紹介したスボレキサント(ベルソムラ)について詳しくお話ししたいと思います。

まず、日経メディカルの記事を提際させて頂きます。

2014年9月26日、不眠症治療薬スボレキサント(商品名ベルソムラ錠15mg、同錠20mg)の製造販売が承認された。適応は「不眠症」で、1日1回20mg、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。  

不眠症は日常の生活の質を低下させ、うつ病の危険因子であることが明らかになっている。また、不眠症患者は健常人と比べて糖尿病や高血圧の有病率が高いことが報告されており、これらの発症を助長する危険因子としても注目されている。日本では、成人の3人に1人が「寝つきが悪い」「睡眠中に何度も目が覚める」など何らかの不眠症状を有しているといわれている。  

現在、不眠症治療の中心となるのは薬物療法である。使用される睡眠薬としては、ペントバルビタール(商品名ラボナ)などのバルビツール酸系の依存性の強い睡眠薬から、より忍容性の高いトリアゾラム(商品名ハルシオン他)などのベンゾジアゼピン系、ゾルピデム(商品名マイスリー他)などの非ベンゾジアゼピン系、ラメルテオン(商品名ロゼレム)のメラトニン受容体作動系の睡眠薬に移ってきている。  

睡眠薬の処方頻度が高まる中、高い治療効果はあるものの、一部の患者では長期服用時の依存(耐性、離脱症状、高用量投与、多剤併用)や乱用(過量服用など)が大きな社会問題となっている。  

スボレキサントは既存の薬剤とは異なる、新しい作用機序を有している。すなわち、覚醒を維持する神経伝達物質であるオレキシンの受容体への結合をブロックすることで、過剰な覚醒状態を抑制し、脳を覚醒状態から睡眠状態へと移行させる生理的なプロセスをもたらす、世界初のオレキシン受容体拮抗薬となっている。  

第3相国際共同試験(対象:日本人を含む原発性不眠症患者)では、スボレキサントの3カ月間就寝前投与により、睡眠維持効果および入眠効果が認められている。さらに、6カ月間投与における安全性および忍容性に関しても概ね良好であった。海外では、2014年8月に米国で承認されている。  

第3相国際共同試験では、20.9%に副作用が認められている。主な副作用は傾眠(4.7%)、頭痛(3.9%)、疲労(2.4%)であった。また薬物相互作用としてCYP3A4を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール[商品名イトリゾール他]など)とは、本薬の代謝が阻害され、作用が増強する可能性があることから併用禁忌となっている。なお、食後および食直後の服用では、効果発現が遅れることにも注意しなければならない。

というわけで、大変良いお薬なのですが、次回に具体的にどこがいままでの睡眠導入剤と違うのか、ここ5年ほど数多くの患者様にご処方してきた経験も踏まえてお話ししたいともいます。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

参考 

現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄

 e-ヘルスネット 厚生労働省

MSDconnect 日経メディカル 2014/10/14の記事 MSD 

榎本みのり 認知症の睡眠障害. 老年医学 45:739-743, 2007.

三島和夫 高齢者・認知症患者の睡眠障害と治療上の留意点. 精神医学 49:501-510, 2007.

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(精神保健研究所・精神生理部)

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