世界初の「熱中症ガイドライン」の御紹介

最近本当に暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか? これだけ暑いと本当に怖いのが熱中症です。どれだけ恐ろしいかというと、「ひらパー」の愛称で知られる大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」で7月、着ぐるみ姿でショーの練習をしていたアルバイト男性(28)が熱中症で死亡されました。男性が着ぐるみ姿で踊ったのは日没後のわずか20分間。複数の要因が重なった事故とみられますが、今後は熱中症に対し、一人一人が正しい知識を身に着け 予防をしていかないといけません。

そこで今回は、世界初の熱中症専用のガイドラインである、日本救急学会が発行されている、「熱中症ガイドライン2015」をご紹介したいと思います。以下は【日経メディカルAナーシング pick up】2015年6月22日の記事からの抜粋になります。

2015年3月、日本救急医学会が国内外で初となる「熱中症診療ガイドライン2015」を発行した。 「わが国のひと夏(6~9月)の熱中症の発生数は、多い年で40万人。死者こそ少ないが、年間の脳卒中患者数に匹敵する数でありインパクトは大きい。一方で、治療といえば輸液など教科書的な記載しかないことから、国内外の知見を集め体系化したいと考えた」。ガイドライン作成委員長を務めた三宅康史氏(昭和大学医学部救急医学講座教授)は、発行の経緯をこう説明する。 ガイドラインは、「予防・治療には何を飲めばいいか?」「熱中症の重症度の判定は?」「新たな冷却方法の有効性は?」など、11のクリニカルクエスチョンから成る。全国の救命救急センターや大学病院などを対象に隔年で行っている熱中症の全国調査「Heatstroke STUDY」(HsS)をはじめ、国内の診療実態も反映した内容だ。

まず、大事なのは、熱中症では、大量の発汗があり、めまい、立ち眩み、生あくびなど、つい見逃しがちな初期症状があり、頭痛や虚脱感、倦怠感などがあれば、甘くみず、病院に行った方がいいという事です。特に認知症の初期症状で、体温調節がうまくできなくなり、リモコンの使い方がわからなくなった方は、エアコンをつけようとしません。夜間自宅でも、熱中症にかかる可能性があります。御家族様がよく注意してあげて、熱中症予防に取り組みましょう。

次回も、熱中症ガイドライン2015 から重要なことをお話ししたいと思います。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

参考 

現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄    

熱中症ガイドライン2015 日本救急医学会    

【日経メディカルAナーシング pick up】 2015年6月22日の記事

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ホルモンは認知機能の最適化に重要な役割 <リコード法の基本と尼崎療法の共通点(5)>

前回は、炎症反応、ストレスのお話をしました。 その際にストレスに係る、コルチゾールというホルモンについてお話ししました。実はホルモンも認知機能の最適化に重要な役割をはたしています。今回はホルモンについていくつかお話ししてきたいと思います。

多くのホルモンは特にシナプスの形成と維持をサポートすることにより、認知機能の最適化に重要な役割を果たします。ホルモンレベルが低下し、バランスがシナプスを破壊する側になると認知力は低下する。特に重要なものを以下にお話ししていきます。

アルツハイマー病(認知症、軽度認知機能障害、主観的認知機能障害)では一般的に甲状腺機能が低下している。 甲状腺機能は代謝速度にも影響し、心拍数や頭の冴えにも影響する。 なので甲状腺ホルモンの状態を知る事は必須。 甲状腺ホルモンの状態は「遊離T3」「遊離T4」「リバースT3」「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」 のレベルを測定する事で評価できる。 方法は簡単で自分の代謝スピードは「基礎体温」を測れば簡単に測定できる。

(方法)

(1)夜寝る前に体温計をベットの隣に置いておき、起床後直ぐに測れる状態にしておく。

(2)朝起床後直ぐ(ベットから出る前)に体温計で体温を測る。

(3)体温が36.6~36.8度の間にあれば問題ないが、体温が低い時は甲状腺機能の低下の可能性がある。

以前にお話しした栄養素、炎症だけでなく、ホルモン値の測定も非常の重要です。甲状腺ホルモンの基準値を以下に示します 。

遊離T3(活性型で寿命約1日の甲状腺ホルモン):最適レベルは3.2~4.2pg/ml

遊離T4(寿命約1週間の貯蔵型ホルモン):最適レベルは1.3~1.8ng/ml

リバースT3(甲状腺の活性化を阻害):最適レべルは20ng/dl未満

TSH(甲状腺刺激ホルモン):最適レベルは2.0μIU/mL未満

多くの医師がチェックするのは「TSHのみ」。TSHだけでは甲状腺機能が低下した患者を多数見逃す。 TSH高値は甲状腺機能の低下を示す可能性があり、一般的な正常値は0.4-4.5μIU/Lであるとされているが、2.0を超えていれば、全て検討する必要がある。

しかし実際にはTSHが正常値でも甲状腺機能が低下している可能性がある為、追加の甲状腺ホルモン検査を行う必要があります。

性ホルモンのエストロゲンも、認知症の予防において決定的な役割を果たしている。 エストロゲンとプロゲステロン、エストラジオールとプロゲステロンの比率も重要。この比率が高いと「物忘れ」と「記憶力の悪さ」に関連する。

(目標値)

エストラジオール:50~250pg/mL

プロゲステロン:1~20ng/mL

エストラジオール/プロゲステロン比:1/10(症状により最適化する)

性ホルモンのテストステロンはニューロンの生存をサポートする。(男性の方がより高濃度)

テストステロン濃度が低い(全体最下位1/5に該当するレベル)

男性はアルツハイマー病のリスクが高い。

(目標値)

総テストステロン濃度=500~1000ng/dL

遊離テストステロン=6.5-15ng/dL

今回は、認知機能に係る特に重要なホルモンをお話ししました。 これらのホルモンは認知機能ばかりでなく、精神症状に係るものとして、精神科でも有名なホルモンになります。特に、甲状腺ホルモン、エストロゲンは、女性において特に更年期障害の時期に重なり、大きく変動します。ただの更年期障害とあまり気にせず放置すると将来において認知症発症のリスクを高めることにつながることもあるかもしれません。

気になることがあれば気軽に当クリニックへご相談ください。

今回も御一読いただき誠にありがとうございました。    

参考 

現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄

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東洋経済オンライン2018年2月16日。5月11日

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慢性ストレスは認知機能を低下させる大きな要因<リコード法の基本と尼崎療法の共通点(4)>

今回は炎症と免疫システム、ストレスについてお話ししたいと思います。

慢性的に活性化された免疫システムは、自分の体の細胞を攻撃することがあります。ですから炎症がどれくらい体で起こっており、そのため免疫システムがどのような状態であるのか把握することが認知症予防に重要な要素となります。

炎症に極めて重要な測定項目

1) C反応性タンパク質(CRP)

あらゆるタイプの炎症に反応して肝臓で産生。

リコード法においては高感度CRP(hs-CRP)は0.9mg/dl未満であるべきとされている。この値が高い場合、糖分・単純炭水化物・トランス脂肪酸等の取りすぎ、リーキーガット、グルテン感受性、口腔内の不衛生、特定毒物等が炎症の発生源として疑われる 。

(2)血中アルブミン対グロブリン比

炎症の補完的指標。1.8あればベスト。

(3)赤血球中オメガ6脂肪酸対オメガ3脂肪酸比

オメガ6は炎症性、オメガ3は抗炎症性。

目標値:オメガ6/オメガ3比:0.5以上3未満

(4)インターロイキン6(IL-6)と腫瘍壊死因子α(TNFα)

炎症性(1型)アルツハイマー病において増加する可能性のある多くのサイトカインの仲間。

目標値:IL-6:3pg/mL未満、TNFα:6.0pg/mL未満

慢性ストレスは認知機能を低下させる大きな要因

ストレスは認知機能を低下させる最も重要な要因のひとつである。

ストレスホルモンの1つであるコルチゾール値が高いと、ニューロンに損傷を与え、特に海馬では慢性ストレスが海馬損傷の重要な原因となり、認知機能(特に記憶力)を低下させる。

慢性的なストレスは、HPAアクシスの機能不全につながる可能性がある。

これが起こると、副腎は感染、毒物、睡眠不足などのストレスに対処するホルモンを十分産生できなくなり、ストレス要因に非常に敏感になり、認知機能が悪化する可能性がある。

コルチゾール値の急速な減少は、それ自体が海馬ニューロンの喪失につながる可能性がある。

(目標値)コルチゾール(朝):10~18mcg/dL

当クリニックでは、以前にこのブログでもお話しした通り、以前から特に海馬に注目しております。海馬の萎縮を頭部MRI、中でもVSRADという脳ドックではあまり行われない特別な方法で海馬の萎縮を早期に発見し、できるだけ、脳血流を増やし、栄養状態を管理し、脳トレーニングを指導し、適度な運動をしていただくことで海馬新生を促していくのが当クリニックの治療方針になっております。

また、認知症専門であるだけなく、心療内科、精神科としても専門医であるため、ストレスに関してよくお話を伺い、きちんと把握して、適切な治療をすすめていきます。

最近、ストレスが多いと感じてたり、睡眠がうまくとれずに悩まれている方。ほおっておくと、将来認知症になりやすくなるリスクを放置することにもつながります。

悩まず、早めに当クリニックに相談されることをおすすめします。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。    

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リコード法の基本と尼崎療法の共通点(3)

インスリン抵抗性はアルツハイマー病の一因になる

また、現代の日本においては、摂取しすぎる栄養素の問題もあります。その一番の要素は、糖質になります。

人間の体は1日に約15グラムを超える砂糖を処理するようには作られていない。これはソフトドリンク1杯よりずっと少ない量になります。

グルコース(ブドウ糖)は血中濃度が一定値を超えると体に毒となる為、体から大量のインスリンがグルコース(ブドウ糖)を抑制しようと分泌されるが、グリセミック・インデックス(GI値)の高い食品を取ると、血中のブドウ糖が急上昇する為、ブドウ糖の血中濃度を急いで下げようと、膵臓から大量のインスリンが分泌される。

そして、細胞は絶え間なく流れるインスリンに対しては反応しなくなる。これがインスリン抵抗性と呼ばれるものです。

慢性的なインスリン高値はインスリン抵抗性をもたらし、インスリン抵抗性はアルツハイマー病の一因となる。理由は2つあります。

(1)インスリン抵抗性は2型糖尿病や脂肪肝、メタボリックシンドロームだけでなく、アルツハイマー病の一因にもなる。

その理由は、インスリンのシグナル伝達はニューロンの生き残りを助ける最も重要なシグナルのひとつだからです。 インスリンはインスリン受容体に結合し、ニューロンの生き残りを助けるシグナル伝達を引き起こす。このサバイバル・シグナルは、慢性的にインスリン値が高いと鈍化する。

(2)血糖値を下げる役目を終えたインスリンを分解する酵素をIDE(インスリン分解酵素)というが、このIDE(インスリン分解酵素)は、脳の中でアミロイドβの分解も担当している。

そして、IDE(インスリン分解酵素)はアミロイドβの分解とインスリンの分解の両方を同時に実行できない。

インスリン抵抗性がつくと、IDE(インスリン分解酵素)はより通常より多く分泌されるインスリンの分解で手が回らなくなり、アルツハイマー病の原因となる過剰なアミロイドβの分解ができなくなる。その結果、アミロイドβ値は上昇し、アルツハイマー病の原因となる。

高血糖は多数の異なるタンパク質に接着し、タンパク質の機能を妨げる。

グルコース(ブドウ糖)分子は、生化学的反応を起こし、AGE(終末糖化産物:毒性の高い老化タンパク質の1つ)を産生する。

AGEは体に様々なダメージを与える

AGE(終末糖化産物:毒性の高い老化タンパク質の1つ)は体に様々なダメージを与える。

(1)AGEは炎症の引き金となる。

(2)AGEはDNAや細胞膜にダメージを与える。

(3)AGEは血管を傷つけ、脳への栄養供給を減らし(2型アルツハイマー病の原因)、血液と脳の間のバリアにある漏れの原因となる。(1型アルツハイマー病の原因)

(4)動脈硬化や骨粗しょう症、白内障などにも関連。 インスリン抵抗性や高血糖を改善する為、以下の目標を達成できる対策を講じる事。

・空腹時インスリン値:4.5μIU/ml以下

・空腹時血糖値:90mg/dl以下

・ヘモグロビンA1c(エイワンシー):5.6%未満

アルツハイマー病予防の観点からは、糖尿病の早期発見・早期治療がものすごく重要だと考えています。一年に一回の健康診断、人間ドックではペースが遅く心配です。また、他の高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病もアルツハイマー病の次に多い、脳血管型認知症の原因となります。

当クリニックでは、生活習慣病の早期発見、早期治療にも力を入れております。内科学会にも所属しておりますので最新の治療薬をいち早く取り入れております。

少しでも気になる方がいらっしゃれば、お気軽の当クリニックまでご相談ください。

次回は、炎症と免疫システム、ストレスについての考え方をお話したいと思います。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

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リコード法の基本と尼崎療法の共通点(2)

今回の、リコード法と当クリニックでの尼崎療法の共通点についてお話ししたいと思います。今回からは、より実践的な内容になっております。

ホモシステイン値が上昇すると血管と脳にダメージ

普段の食事とその栄養素に注目することがリコード法と尼崎療法との共通点となります。

ホモシステイン値が高い事はアルツハイマー病の重大要因と考えられます。ホモシステインは、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物です。

シナプス喪失の3つの原因(炎症、シナプス補助栄養因子の喪失、毒素)のうち、ホモシステインは炎症とシナプス栄養補助因子の指標と考えられています。

炎症マーカーでもあるが、栄養の供給が不足しても値が上昇します。

ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸、アミノ酸ベタインが欠乏すると、ホモシステイイン値が上昇し、脳と血管にダメージを与える事になります。

ホモシステイン値が6より上昇するほど、海馬の委縮が速くなります。

ホモシステイン値を低く最適に保つには、ビタミンB6、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB12が活性型で十分な水準にある必要がある。

なお、活性型ビタミンB6はP5P(ピリドキサール5リン酸)の事、活性型葉酸はメチル葉酸の事、活性型ビタミンB12はメチルコバラミンの事である。

具体的には検査値が以下の水準にある事を目標となります。

・(活性型)ビタミンB6:30~60マイクログラム/L(mcg/L)

・(活性型)葉酸:10~25ng/mL

・(活性型)ビタミンB12:500-1000pg/ml

ビタミンD3は脳のシナプス生成と維持に不可欠

ビタミンD3は900以上の遺伝子を活性化するが、その遺伝子にはリコード法にとても重要な「脳のシナプス生成と維持」に不可欠なものもある。その為、これらの遺伝子と、その遺伝子を活性化するビタミンD3は、脳シナプスの生成と維持に必要不可欠、ビタミンD3が足りないと、適切な遺伝子が正しく活性化されない。

(ビタミンDの目標値)

血清25ヒドロキシコレカルシフェノール(不活型ビタミンD3)値:50~80ng/ml

当クリニックでは、初診時から血中ビタミン濃度や血中鉄濃度を測定し、栄養状態を確認したうえで、適切な血中ビタミン、鉄濃度を保てるように頻回に血液検査を実施しております。患者様へのご負担は重々承知しておりますが、認知機能改善、もしくは認知機能低下進行抑制のためには血中濃度測定は必須であると考えております。そのほか、栄養指導などにも力を入れて取り組んでおります。

次回は、最近ダイエット関連の特集でも話題の糖質についてお話ししたいと思います。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

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リコード法の基本と尼崎療法の共通点

これまでネットニュースの話題からアルツハイマー病に対する最新の知見と、リコード法の基本的な概念をできるだけわかりやすくお伝えいたしました。

今回からはリコード法の基本と尼崎療法の共通点についてお話しします。 ですから、アルツハイマー病 真実と終焉 からの全くの抜粋ではなく、尼崎療法の観点や考え方が多分に含まれていることをご了承ください。

1、回復チャンス期間は長く、早ければより完璧な回復が期待できる

まずは、アルツハイマー病の早期発見、予防に力を入れることの重要性が共通点になります。

アルツハイマー病の進行の速さ等は当然人それぞれで大きく異なりますが、基本的には以下のような期間でアルツハイマー病が脳を冒していきます。

シナプス喪失や認知機能の低下の原因を特定し、是正するのが早いほど、本格的なアルツハイマー病や経度の認知機能障害でも発症を避ける可能性が高くなり、より有効な改善が期待できると当クリニックでは考えています。

・無症状で進行する期間:約10年

・主観的認知機能障害(SCI):約10年(物忘れが増えた等、頭の調子が良くない事を自覚)

・軽度認知機能障害(MCI):数年程度

アルツハイマー病になってから治療を始めるのと、無症状で進行する期間から開始するのでは約20年の差があります。この差がとても大きいと当クリニックでは考えています。その間に予防に取り組んだ方と そうでない方では当然、認知症発症までの期間や発症後の進行スピードに大変大きな差が出ると日々の診療で実感しております。

そのため、当院では早期発見に力を入れております。 最近テレビでもよく取り上げられるようになったMCIスクリーニングや、 ApoE遺伝子測定なども含めると計6種類の認知症早期発見のための血液検査ができるように対応しております。ただ、自費診療になりますので、詳しくは当クリニックにまでお気軽にお問い合わせください。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

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アルツハイマー病の兆候をいち早く発見するために

ブレデセン医師は、アルツハイマー病の兆候をいち早く発見するために、次に挙げる初期の症状は絶対に見過ごしてはならないと指摘する。

アルツハイマー病のごく初期の兆候

1.ニオイが分からない

2.物覚えが悪くなる

3.整理整頓、計画や計算ができない

アルツハイマー病では、記憶障害よりも先に、まずニオイが分からなくなる。その後「同じ事を質問する」「鍵を置いた場所が分からない」などの記憶障害が続く場合もあれば、「片付けられない」「計算できない」「いつもやっている仕事のやり方を忘れる」などの障害が起きる場合もある。

整理整頓や事務処理がこなせないといった症状から始まる場合には、毒素が原因である可能性が高い。自宅や職場にカビが生えていないか、また魚介類には水銀を多く含む種類もあるので、水銀の含有値が低いことで知られるサケ、サバ、アンチョビ、イワシ、ニシンなどを食べるよう心掛けたい。

ブレデセン医師によると、脳にとっては、炎症が持続したり、栄養が不足したり、毒素などが入り込んだりすることが脅威になるという。脅威に曝された脳は、アミロイドベータというタンパク質を作って対処し、自身の脳細胞も破壊してダウンサイジングしてしまう。

アルツハイマー病とはいわば、脳が自らを守る「防衛プログラム」の結果であり、この防衛プログラムにより投下されたアミロイドベータは、敵を殺すと同時に国土を焦土と化す「ナパーム弾」のようなものである。

ベトナム戦争で使用され、その殺傷力が注目されたナパーム弾は、ナフサという主燃料剤に増粘剤を添加し、ゼリー状にして充填した油脂焼夷弾である。ベタベタとした内容物はあらゆる面に接着して長時間きわめて高温で燃焼し、周囲を広範に焼き尽くすことが知られている。

「ナパーム弾」と化したアミロイドベータが脳を蝕み、やがてアルツハイマー病の発症に至るのだ。

脳神経ネットワークを破壊に導く

アミロイドベータは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の切断によって生成されるタンパク質であり、脳神経ネットワークを破壊に導く。一方で、APPが切断されると、脳に栄養を与えるタンパク質も生成される。

脳細胞を含め体全体の細胞は、生きていくために必要な情報をやり取りして、さまざまな活動を制御している。APPが脳を破壊する分子に切断されるか、脳を成育する分子に切断されるのかということも、細胞同士が伝えあう情報の中で、破壊と成育に関する情報の全体バランスによって決まる。ブレデセン医師ら研究グループがそれを解き明かした。

「このバランスを左右する要因が36もあるのです。若い時は、見事にいいバランスが維持されていますが、年齢とともにシナプスを破壊する方向に傾いていきます。このバランスを健康的に維持するためには、36の要因をすべて適正化しなくてはなりません」

アルツハイマー病の原因を特定したブレデセン医師は、「リコード法」と呼ばれる治療法を開発した。

「バランスを維持する36の要因すべてを良い方向にするために、食事、運動、睡眠、ストレス管理、薬、健脳サプリ、そして脳トレーニングなども加えた包括的な治療プログラムで、すでに500人以上の患者さんが回復しています」

さらにブレデセン医師は、少なくとも45歳を超えたら、リコード法で推奨されている各種認知機能検査を受け、自分の状態を知る必要があると提唱する。

ただ、仮に検査を受けて結果が正常であっても、油断してはいけない。毎年同じ時期に検査を受け、認知機能が少しでも下がってきたら病院へ行くのが望ましいという。

「認知機能の衰えはたいてい自分でも気づくものですが、大したことがないという言い訳をして、医師の診察を先延ばしにする人が多いものです。本格的なアルツハイマー病であるとわかるまで治療されず、『また来年来てください』と言われ続けたという話をよく聞きます。医師自身、アルツハイマー病はまだ治せないと思い込んでいることが多いのです」

アルツハイマー病は放置すれば静かに進行していく。

アルツハイマー病による記憶障害は通常、新しいことが覚えられないという症状から始まる。今まで生きるのに必要であった古い記憶よりも、それまで必要とされていなかった新しい記憶が先にカットされ、脳神経ネットワークを縮小しても生命が存続することが優先される。

病気が進行すると、やがて服を着る、歯を磨く、話すなどの基本的な動作の記憶も消えていく。そして、生命の維持に必要な機能まで失われていき、最後は死に至る。

「こんな悲劇は、予防について知識があり、早くからアルツハイマー病の兆候に気を付けてチェックを欠かさなければ、避けられることだということ多くの方に知っていただきたい」

以上が記事の抜粋になります。

予防の具体的な方法については、プレデセン医師の著作「 アルツハイマー病 真実と終焉」 から抜粋し、尼崎療法との共通点を次回にお話しさせていただきます。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

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認知機能を回復させる新治療法

「リコード法」と呼ばれる新しい治療法を確立したのは、この分野で30年にわたり研究を続けてきたデール・ブレデセン医師。アルツハイマー病など神経変性疾患の世界的権威として知られる。

ブレデセン医師は2017年8月、リコード法についてまとめた書籍『アルツハイマー病 真実と終焉』を本国アメリカで一般向けに発売し、ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルでもすぐにベストセラー入りを果たした。

リコード法で治療すれば認知機能を回復でき、早期であれば完全回復も期待できるという。

その治療プログラムは、食事、運動、睡眠といった生活習慣の指導や、脳の栄養不足を補うサプリメント、脳トレーニング、ストレス対策など、実に多岐にわたる。

リコード法は、ひとりでは迷子になってしまうような状態だった患者が職場復帰を果たすなど、素晴らしい成果を挙げている。まさに、これまでの医療の常識を打ち破るものだった。

リコード法を始めるにあたっては、アミロイドベータが脳に溜まる3つの原因に対する脆弱性を的確に検査する必要がある。ブレデセン医師はこれを「認知機能検査」と呼ぶ。

実は、アルツハイマー病と診断される15~20年前から、すでに病気は始まっている。年齢でいえば、ちょうど40歳を迎えた頃からが危なく、病気がひっそりと進行し始めている人が多い。

50代になったら腸の内視鏡検査を行うように、40代のうちに認知機能検査を受けるのが理想的だという。

恐ろしいことに、認知症は発症するまで、ほとんど何の症状もない。あったとしても、「些細な物忘れ」「夕方に疲れが出る」「人の顔を覚えにくい」など、“歳のせい”で片付けてしまうようなものばかりだ。

言葉がうまく思いつかない、会話に入れない、少し前の出来事もすぐに忘れてしまう、いつも通い慣れた高速道路でどの出口を出れば家に帰るかわからなくなってしまう……。放置したままだと、このようにいずれ認知機能の障害につながっていく。

そして、認知症と診断される頃には、病気自体はすでに末期を迎え、日常生活に介護が必要な状態になっている。

生活史を振り返ってみよう!

認知機能が低下している原因を確かめる上では、これまでの生活史を振り返ってみることも大切だ。

頭のケガや過去に受けた全身麻酔、喫煙、飲酒、別の病気で処方されている治療薬、口腔内の不衛生、いびき、慢性副鼻腔炎、自宅・職場・車のカビ、ダニに噛まれたこと、化粧品やヘアスプレー、制汗剤の使用、便秘、あまり汗をかかない、といったことも手がかりになるという。

自分で認知機能の低下を自覚している段階であれば、リコード法で今のところ全ての人が回復しているという。しかし、症状がある程度進んでしまうと、100%の回復は望めなくなっていく 。

このため、ブレデセン医師は「認知機能検査で目標値から外れている項目があれば、すぐにリコード法を始めてほしい」と力説している。

これは症状がない人も同じで、この時点からスタートすれば、一生アルツハイマー病を寄せ付けずに過ごすことも可能だ。つまり、予防できるわけである。

次回へ続く

参考 

現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄    

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東洋経済オンライン2018年2月16日。5月11日

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リコード法について改めて注目が集まっています

令和時代の幕開け、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

昨年このブログでもお伝えした、「リコード法」ここ最近また注目を集めているようで問い合わせが非常に多くなっています。 今回は、より具体的な実践方法も含め、改めて「リコード法」と当クリニックの推奨する「尼崎療法」の共通点をお伝えしていきたいと思います。

まずは、東洋経済オンライン2018年2月16日。5月11日同じ筆者からの2つの記事からの抜粋をお読みください。

アルツハイマー病は治療によって回復可能だ

500人以上が回復した革命的治療法とは?

超高齢社会を迎えた日本。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推定されている。しかし、これまで画期的な治療法はなく、認知症と診断された人は「現在のところ確実な治療法はありません」と医師から告げられるのが関の山だった。 ところが4年前、驚くべき研究結果が発表された。なんと認知症のうち6割強を占めるアルツハイマー病は、治療によって回復することが分かったのだ。 アメリカでアルツハイマー病から500人以上を回復させた革命的な「治療法」と「予防法」について、『アルツハイマー病 真実と終焉』(ソシム)を翻訳した医学ジャーナリスト、山口茜さんが解説する。

今後ますます高齢者人口が増えていく日本にとって、認知症にまつわる経済的負担がこれ以上膨らめば、国の医療体制の存続にも影響しかねない。認知症は人生を奪われる患者自身だけでなく、介護にあたる家族の人生も巻き添えにする。

認知症を起こす原因の6割以上を占めるアルツハイマー病で有効な治療法があれば、日本にとって朗報となるだろう。

「炎症」「栄養不足」「毒素」の3つが原因

アルツハイマー病の回復がヒトで初めて論文報告されたのは2014年。「アルツハイマー病患者の回復が史上初めて発表された」とのニュースは、瞬く間に世界を駆け巡った。

アルツハイマー病の原因はこれまで、脳に「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が蓄積することとされてきた。そして従来の治療は、脳に溜まった悪者として、アミロイドベータの除去に主眼が置かれてきた。

しかし、アミロイドベータを除去する薬剤は、症状を緩和させることはあっても、病気の進行を抑制させたり回復させたりしなかった。

アルツハイマー病でアミロイドベータがなぜ脳に溜まるのか――。研究の結果、「炎症」「栄養不足」「毒素」の3つが原因であることが分かった。

アミロイドベータが脳に蓄積する3つの原因

(1)炎症(感染、食事、その他さまざまな原因による)

(2)栄養素の不足(神経栄養因子、ホルモンなど)

(3)毒素(カビなどの生物毒や金属など)

さらに、アミロイドベータは単なる悪者ではなく、脳の防御反応による「脳細胞を守る兵隊」であったことも分かった。アミロイドベータが溜まる3つの原因は、脳にとって脅威だったのだ。

ところが、その脅威が払拭されないままだと、アミロイドベータが過剰になり、最終的に守るべき脳細胞を壊してしまう。

裏を返せば、アミロイドベータが溜まる原因(脳の脅威)を取り除いていけば、アルツハイマー病から回復でき、病気にかかるリスクも低減できる。新しい理論に基づく治療プログラムがこれを可能にする。

次回、認知機能を回復させる新治療法、へ続く

参考 

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アルツハイマー病 真実と終焉 ソシム デール・ブレデゼン    

東洋経済オンライン2018年2月16日。5月11日

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認知症予防の3つの柱 プラス TWO(睡眠編)

 認知症予防との関連で最も注目されているのが睡眠です。

以下にPRESIDENT ONLINEの記事を紹介いたします。

睡眠で脳内の”ゴミ”を掃除しないと認知症

脳内の「ゴミ」は、睡眠で一掃できる!

「近年の研究で、睡眠と認知症の間には、密接な関係があることがわかってきました」 兵庫県尼崎市にある長尾クリニックの院長で、『認知症は歩くだけで良くなる』など、数多くのベストセラー家庭医学書を執筆する長尾和宏氏はそう語る。

「認知症の主要な原因であるアルツハイマー病は、アミロイドβというタンパク質の『ゴミ』が脳内の神経細胞に蓄積することで発症します。ワシントン大学の研究では、眠りを断たれたマウスの脳内にアミロイドβが蓄積し、睡眠させると少なくなることが報告されました。つまり家庭のゴミが毎朝ゴミ収集車で回収されるように、脳内のゴミは睡眠時に分解され、一定以上の量に溜まらないようになっているのです」

ところが睡眠不足になると、アミロイドβの分解が追いつかず、脳内の「ゴミ」は蓄積する一方となってしまう。それが認知症を引き起こす原因となるのだ。さらに近年解明されてきた「脳内の記憶メカニズム」の観点からも、睡眠不足が認知症を招くことがわかってきたという。

「人間の記憶は、側頭葉の内部にある『海馬』という器官から大脳皮質に転送されることで定着します。海馬の神経細胞は1億個であるのに対し、大脳皮質の神経細胞は100億個。いわばパソコンのメモリーと外部の大容量ハードディスクのような関係です。海馬の容量は少ないため、新しい出来事を記憶するためには、どんどん大容量の大脳皮質にデータを転送しなければなりません。その海馬から記憶の転送と固定が行われるのが、睡眠中なのです。そのため睡眠に問題があると、新しい記憶の保持ができなくなってしまいます」

(中略)

それでは中高年が「いい睡眠」習慣を身につけ、認知症を予防するにはどうすればいいのか。長尾氏は1つ目に「朝一番に少しでも太陽をあびること」を推奨する。

「朝の太陽光の中に含まれる紫外線は体内時計をリセットし、『やる気ホルモン』と言われるセロトニンの放出を促します。セロトニンは覚醒レベルを上げるとともに、夜に睡眠を誘発する脳内物質のメラトニンの産生を促します」

もう1つ認知症予防のために勧めるのが「歩くこと」だ。

「脳を健康に保つには、十分な血流が必要です。認知症になると脳の血流が減りますが、歩くことで脳内の血流を増やすことができます。1日10分間。朝、昼、晩の3回、歩数で言えば4000~8000歩ほど。血圧が上がらないスピードの普通のウオーキングで十分です。ジムで筋トレをしたり、急にジョギングを始めたりする必要はありません。激しい運動をすると体に有害な活性酸素の量が増え、老化が早まります」

また歩くことで骨に衝撃を与えることも重要だという。

「近年、骨は体を支えるだけでなく重要な『臓器』の1つで、全身に向けてさまざまなメッセージ物質を出していることがわかってきました。健康な骨からはオステオカルシンという大切なホルモンが出て、血流に乗って脳の海馬まで届き『記憶力をアップせよ』というメッセージを伝えていることが判明したのです。同じく骨から出るオステオポンチンという物質は、免疫を強化する役割も担っています」

(以下略)

以上のように、前回当クリニックでも取り組んでいる運動療法「暗記歩き」を取り入れることが睡眠の質を保つためにも重要であり、認知用予防のために、一石二鳥いや三鳥かもしれない、というのをご理解いただければと存じます。

睡眠に関しましては、当クリニックでは睡眠専門外来もさせていただいておりますので、初診時から睡眠に関しての精査・指導を行っております。

今後も当クリニックでは、「認知症予防」に全力で取り組んでいきたいと考えております。また新しいエビデンスがありましたらこのブログでお話しさせていただきます。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。  

参考 

現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄

睡眠で脳内の”ゴミ”を掃除しないと認知症 PRESIDENT 2018年9月17日号

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