新たな帯状疱疹ワクチンの接種を始めました

5月。春から夏に向かうこの時期。夏のような暑さになったかと思えば、冷え込む日もあり、寒暖差に身体を対応させるのも大変ですね。また、4月から新しい環境で緊張感のある生活を送り、疲れが出てくるのもこの頃。皆様は体調を崩されていませんでしょうか。疲れやストレスなどが原因で発症する疾患として、少し前にこのブログで取り上げた「帯状疱疹」。
この予防のためのワクチンにつきまして、当院では4月より新たな種類のワクチン「シングリックス」を導入しました。今回はこの「シングリックス」と従来からある「乾燥弱毒性水痘ワクチン」の違いについてお話させていただきます。
※帯状疱疹の症状についてはこちらをお読み下さい。
2023.11.13 スタッフブログ「帯状疱疹のおはなし」

帯状疱疹ワクチンの特徴

乾燥弱毒性水痘ワクチン(生ワクチン)

帯状疱疹の予防ワクチンとしてまず最初に登場したのがこのワクチンです。
元々水ぼうそうのワクチンとして認可されていましたが、2016年に帯状疱疹のワクチンとしても適用が拡大されました。
皮下注射で1回接種します。費用は当院では9,900円です。
発症抑制効果は50~59歳では68.7%。年と共に効果は減少し、1回の接種での効果は 5 年程とされています。
対象年齢は50歳以上。免疫力の低下している人には接種できません。
副反応率はそれほど高くありません。

シングリックス(不活化ワクチン)

2020 年に認可された比較的新しいワクチンです。当院でも2024年4月より導入しました。
筋肉内注射で2回の接種が必要です。(初回接種の約2か月後に2回目接種)
費用は当院では1回 24,200円と高額ですが、発症抑制効果は50歳代で96.6%、60歳代で97.4%と非常に高く、接種後10年は効果が持続するとされています。
対象年齢は50歳以上ですが、発症リスクの高い人(免疫不全、免疫機能の低下している人)については18歳から接種可能です。
生ワクチンより副反応率は高いです。

どちらのワクチンにも長所、短所がありますね。
ワクチンの特徴を表にまとめましたので、比較してみて下さい。

  乾燥弱毒性水痘ワクチン シングリックス
ワクチンの種類 生ワクチン 不活化ワクチン
対象年齢 50歳以上 50歳以上
発症リスクの高い18歳以上の人
(免疫不全、免疫機能低下の人)
接種回数 1回 2回(2ヶ月あける)
料金(税込) 1回9,900円 1回24,200円
接種方法 皮下注射 筋肉内注射
有効性
(50~59歳)
69.8% 96.6%
持続期間 5年程度 9年以上
副反応
(3~7日で消
失)
発赤(44.0%)
かゆみ(27.4%)
腫れ(17.0%)
痛み(14.7%)など
痛み(79.1%)
発赤(37.4%)
筋肉痛(36.9%)
頭痛(28.3%)など
長所 ・1回で済む
・値段が安い
・予防効果が高い
・効果が長期間持続する
・免疫の低下している人も接種可能
短所 ・予防効果が高くない
・効果が持続しない
・免疫の低下している人は接種できない
・2回の接種が必要
・値段が高い
・副反応が比較的強い(痛みが比較的よく出る)

いかがでしたでか。
当院ではどちらのワクチンの接種も行っています。ご自身の希望に沿ったワクチンをお選び下さい。
ワクチン接種はお電話にてご予約下さい。ワクチンの準備の都合上、ご希望日の2週間前までにご連絡頂きますようお願い申し上げます。
帯状疱疹は50歳代から発症率が上昇し、80歳までに3人に1人は発症すると言われています。
50 歳を過ぎたらワクチンの接種をぜひご検討ください。

関連記事

  1. 2023年を振り返って

  2. 帯状疱疹のおはなし

  3. 新年に寄せて

  4. 寒暖差による体調不良に注意

  5. スタッフブログ

    冬に潜む危険

  6. 睡眠時間足りていますか?

最近の記事 おすすめ記事
  1. 運動のすすめ

    2024.10.18

  2. 食事について

    2024.10.4

  1. 今川クリニックの院長ブログ
  2. 今川クリニックの院長ブログ
アーカイブ