前回まで複数回にわたり、日本認知症予防学会の提唱する認知症予防3つの柱についてご説明し、それに基づいた当クリニックでのオリジナル療法をご紹介いたしました。 今回は、さらに当クリニックが提唱する、認知症予防に大事なふたつの柱をお話ししたいと思います。その「TWO」、2つとは、「食事」と「睡眠」です。
食事に関しましては、診察時に本当によく質問があります。
以前ブログでも リコード法としてご紹介しましたが、今のところ一番エビデンスがあるのが地中海料理です。地中海料理とは、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインなど地中海沿岸の料理。オリーブオイルやナッツ類、野菜、果物をふんだんに使うのが特徴。BMJ(英医学誌、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)の発表によると地中海料理を食べていると、循環器疾患による死亡リスクは9%、がんの場合は6%、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の発症率も13%減少したという研究結果が出ています。
また、食事を含めた生活習慣病への取り組みは、40代から始めるのがよいとされています。野菜や果物、魚を中心に、豆類やオリーブオイルを取り入れ「日本式地中海料理」とでもいうべきメニューを工夫できるといいですね。 また、認知症予防に効果があるといわれるのは抗酸化作用がある「ポリフェノール」です。赤ワインが有名ですが、他にもいちご、ぶどう、大豆、紅茶などでも摂取できますので是非日々の生活に取り入れて頂ければと思います。
当クリニックでの取り組みとしましては 、初診時より生活習慣病に対しての薬物療法、生活指導 をさせていただいております。 今回も御一読頂き誠にありがとうございました。
参考
現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄
British Medical Journal 2008.9.12 Francesco Sofi