前回は、ゴルフが認知症予防で注目されているお話をしました。 ただ、やはり自宅でできる認知症予防も非常に求められています。 それは、日本認知症予防学会 理事長 浦上教授は、短歌や俳句といった創作的な活動や普段使わない神経を刺激するために利き腕と違う手を使うこと、を提唱しています。
俳句といえば、近年TBS系列の番組「プレバト」テレビ番組から火が付いた「俳句ブーム」がありますので、俳句を以前より身近に感じることが多いのではないでしょうか。当クリニックでも、平成31年2月より当クリニックオリジナルの「認知症予防のための俳句療法」に取り組んでおります。以前にご説明した認知症予防の3つの柱である①知的活動である上に、➂家族でのコミュニケーションもとりやすいようにあらかじめしております。また、もちろん俳句を一度も作ったことがない方がほとんどでしょうから、季語などもきちんと取り入れられるよう一から指導させていただき、例えばコンクールなどに出品できるようなきちんとした俳句がどなたでも簡単に作れるよう 工夫しております。実際、最初は俳句といわれて戸惑う方もいらっしゃいますが、大勢の患者様から好評をいただき、また、名句も多数生まれております。
また、ご自分一人で取り組める認知症予防として、②運動療法をとりいれたものとしては、「コグニサイズ」として以前にご説明した、「デュアルタスク」(二つのことを同時にすることで脳を刺激する)であることが重要です。こちらに関しては平成31年6月以降に開始予定ですが、身近なものの名前を暗記しながら、散歩して頂く「暗記歩き」をご紹介していく予定にしております。この暗記歩きは、逆に大学受験で「歩きながら暗記」として近年ものすごい注目をあびて、大手予備校でも取り入れられています。暗記の内容としては、野菜や果物、お花名の名前など日常的な単語から、国名や歴史上の人物など色々ご用意しております。
また、銀行や病院に行ったときなどに普段字を書いていないから住所や名前を書くのが不安になるという御意見を多数いただきましたので、 書き取り練習も当クリニックのオリジナルの季節の教材を使い、指導しております。以前にブログでもご紹介した「キョウヨウとキョウイク」のキョウヨウに関しましては、御本人様の個性や興味、認知症・MCIの進行度、御家族様のご要望、など様々な観点を踏まえたうえで、治療につながるように、「MCIカラーリング」「俳句療法」「季節の書取り練習」「暗記歩き」複数のオリジナル療法が充実させてまいりました。キョウヨウ(今日用)に是非お役立ていただければと思います。 ご興味ある方は是非当クリニックまで気軽にご相談ください。 今回も御一読頂き誠にありがとうございます。
参考
現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄
日本認知症予防学会 ホームページ