最近、認知症予防のための生活習慣が注目されており、当クリニックでもよく質問を受けます。「認知症治療よりまず認知症予防」、当クリニックが20年前より提唱しているテーマが浸透してきており大変うれしく思っております。今後も新しいエビデンスが出るたびにブログで紹介していきたいですが、今回は日本認知症予防学会の提唱する認知症予防3つの柱についてご説明し、それに付け加えた当クリニックでの取り組みについてお話しできたらと思います。
日本認知症予防学会の浦上克哉理事長(鳥取大学医学部教授)は、 認知症予防の3つの柱として「知的活動」「運動」「コミュニケーション」をあげています。
1、 知的活動
囲碁や将棋、編み物など頭を使って指先を動かすこと。また、楽器を演奏したり、絵をかいたりという芸術活動や農作業、料理も手先と頭を同時に使うので効果があります。また、様々なゲームが知的活動に含まれているといわれています。
2、 運動
「コグニサイズ」を推奨しています。「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせる。散歩をしながら計算するとか、頭を使いながら体を動かす、しりとりしながら歩くなどです。運動の内容としては、週に2-3回息が切れるくらいの強度の運動が良いとされています。
3、 コミュニケーション
これは人といないと難しいですが、人が集まるところに行く、もしくは家族と集まって会話する。例えばゲームなどをして、「素晴らしかったな」などといろんな会話が生まれ刺激になるといわれています。また、電話やインターネットを使った会話でもよいといわれています。特に離れて暮らすご家族様にとっては、一日一回電話で話すことが、いまワイドショーで話題の「アポ電詐欺」の予防にもつながり一石二鳥ではないでしょうか。
以上3点があげられています。
この3つを兼ね備えて、今注目されているお薦めのスポーツ、 それは、「ゴルフ」です。 次回に、詳しくご説明いたします。 今回も御一読頂き誠にありがとうございます。
参考 現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄
日本認知症予防学会 ホームページ