障害者手帳を活用しましょう。

毎日「酷暑」の日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?水分補給、冷房の活用、十分な食事、睡眠など、万全の熱中症対策で乗り切りましょう。さて、今回は医療福祉相談室よりお届けします。患者様よりよくご相談をお受けする「障害者手帳」についてのお話です。

「障害者手帳」って何?

障害者手帳とは、障害を持つ方が様々な福祉支援を受けられるよう自治体より交付される手帳の事です。障害の種類により下記の 3 種類の手帳があり、それらを総称して「障害者手帳」と呼んでいます。

【身体障害者手帳】
身体に障害のある方に対して交付される手帳です。視覚や聴覚、音声・言語機能、肢体不自由の他、心臓や腎臓、呼吸器などの内部機能の障害も含まれます。障害の部位ごとに1級から7級までの等級があります。(内部機能障害は1級から4級まで)

【療育手帳】
知的障害のある方に対して交付される手帳です。障害の程度によって等級が定められています。等級の段階は自治体によって違いますが大阪府、大阪市の場合はA(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の3段階です。

【精神障害者保健福祉手帳】
統合失調症、そううつ病、てんかん、器質性精神病(認知症など)等、精神に障害のある方に対して交付される手帳です。1級から3級までの等級があります。

「障害者手帳」で受けられる支援


障害者手帳を持っていると以下のような支援を受けることができます。

①医療
一定以上の等級の障害者手帳をお持ちの方には医療費の自己負担の一部が助成されます。(申請により医療証の発行を受ける必要があります。)

②就労
障害者雇用枠での就業ができるようになります。障害の状態に応じた配慮を受けながら働くことができます。また、障害者職業センターや、就労移行支援事業所などで職業訓練や求職支援を受ける事ができます。

③介護・生活支援
ヘルパーによる身体介助や家事支援、通院・外出介助、就労継続支援事業所(作業所)や療育支援施設などの通所サービスの利用、障害者施設やグループホームへの入所などの福祉サービスを受ける事ができます。(障害区分認定などの手続きが必要です。)

④税金
所得税や住民税の所得控除、自動車税などの減免を受ける事ができます。(等級や世帯状況などの条件があります。)

⑤交通
鉄道やバス、飛行機などの公共交通機関やタクシーの運賃割引、有料道路の料金割引などがあります。各交通会社などにより、割引の対象になる障害の種類、等級などが違いますので、詳しくは各社にお問い合わせください。

他にも障害者手帳をお持ちの方が受けられる様々な支援があります。詳しくは役所の障害者担当窓口へお問い合わせください。

手帳はどうやって取得するの?

どの手帳も取得するには役所への申請が必要です。各手帳の申請の手順は以下の通りです。

【身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳】
①申請には指定医の診断書が必要です。役所で所定の診断書用紙をもらい、指定医に記入を依頼します。
(注:精神障害者保健福祉手帳の診断書は初診日から6か月以上経過した時点のものが必要です。)

②診断書と申請に必要なもの(写真、本人確認書類等。役所にご確認下さい)

を持って役所の担当課にて申請を行ってください。

【療育手帳】
①申請に必要なもの(写真や本人確認書類等。役所にご確認下さい。)を持って役所担当課にて申請を行ってください。

②判定機関(18歳以上は知的障害者更生相談所、18歳未満は児童相談所)にて障害の程度の判定を受けます。

以上、障害者手帳について少し整理してみました。
「何だか色々種類があってよくわからないわ…」「自分の場合はどれに当てはまるの?」などお困りの方は、まず役所の障害者福祉担当窓口へご相談下さい。当院の医療福祉相談室でもご相談に応じております。お気軽にお問い合わせ下さい。

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