残暑が厳しい季節となっております。日本国民へのワクチン接種が順調に進む中、皆様いかがおすごしでしょうか?
今回は、認知症予防法であらたな研究成果を御紹介したいと思います。2021年7月17日、NHK 金のベンリ堂からご紹介いたします。
認知症件数5分の1!”奇跡の町”で発見した予防法
プレゼンターの川合俊一さんが向かったのは、群馬県中之条町。ここに認知症予防の秘けつがあるといいます。ヒントとして渡されたのは”2割増し”と書かれたバレーボール。いったいなんのことなのか?住民を観察し、その答えを探し当てるというミッションが与えられました。そして、川合さんがついに発見したのは、多くの住民が早歩きをしているという事実。そう、”2割増し”とは、歩く速度が2割増し、ということだったんです。
実は中之条町では、20年も前から住民の生活と健康の関係性を調査しています。その研究から、早歩きを一定時間している人ほど認知症など様々な病気にかかりにくいということがわかりました。20年にわたって続けてきた継続性とその成果から、この研究は世界で”奇跡の研究”と呼ばれています。
脳が若返る!? 驚きの研究がアメリカに!
同じく「早歩きが脳にいい」ということが、アメリカでも明らかになりました。向かったのはピッツバーグ大学のカーク・エリクソン教授の研究室。ここで明らかになったのは、早歩きをすると脳の中で記憶をつかさどる「海馬」の体積が大きくなるということ。どのくらい大きくなるかというと、2%。「え、たったの2%…?」と思われるかもしれませんが、実はこれ、とってもすごいことなんです!
高齢者では通常、海馬の体積は一年で1~2%ずつ縮小していくものなので、逆に2%増加しただけでも驚きの結果。しかも、わずか半年で!これはまさに脳の若返り。「時計の針を戻したようなものだ」と先生も興奮気味に話していました。
このように、早歩きが、脳の若返り、認知症予防にとてもいい結果が出ています。次回にはさらに、詳しく解説していきたいと思います。
今回も御一読いただき誠にありがとうございました。
文献1)2021年7月17日 NHK 金のベンリ堂
文献2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社