アルツハイマー病(以下ADと略す)の病状が進行すると言葉の障害が現れてくる。日常生活上の単純な発語が困難になる。
考えてみれば、会話やお喋りなど世俗的なことから仕事上の情報にまで言葉を使用し、文字の読み書きにも言葉を使う。ADの患者は病状が進行するにつれ単純なお喋りが次第に難しくなり、さらに進行すれば、発語ができなくなる。見方を変えれば、言葉の進化の逆方向に向かっているとも考えられる。
一般的にいえば約6000年前にはじまり(日本語のルーツは未だ明確ではなく文献から見れば見解は様々ですが)、時の進化を経て現在の言葉となっている訳です。そして、今なお日本語が進化(変化)していると私見としてそう考えています。
ADの患者の観察から想像して、言葉の退化と二足歩行の退化は並行しており、従って可能な限り歩行のリハビリを続けていけば言語の退化を防ぐことが出来るのではないかと、言葉の進化の過程も踏まえ、考えている次第です。