人類の未来

今川クリニックの院長ブログ

 認知症に関する医学的知識はこれまで述べてきた。昨年は2種類の新薬が厚労省から認可された。これらの薬剤はいずれも海外ではすでに市販されていたにもかかわらず、認知症、特にアルツハイマー病(以下ADと略す)の発症原因は未だ不明である。アメリカを中心にその発症機序の核心を極めようと、日夜、多くの研究者また臨床医が努力されている。しかしながら、ADを根本的に治療出来る薬剤は開発の段階まで到っていない。現在、65歳以上からADに侵される患者は漸次増加している。ADに代表される認知症の治療、及び介護にかかる費用と人力は、癌患者一人当たりの費用、人力と比べても比較にならない。

話が変わるが、生物が生きていくためには、高等哺乳類(ヒトも含む)は、水、炭水化物、脂肪、タンパク質の三大栄養素、酸素、ミネラル(パイと云う)が無ければ滅びてしまう。さらに子孫を作る営み、子孫が絶えないという生物学法則が欠かせない。現在の人類(2011年)の人口は70億であるが、2083年頃には、急速な人口増加によりパイなどの物質が足りなくなることは確かで、人類は滅びの過程に入るだろう。

天体物理学を専門とする学者である(物理学者であり、天文学者であり、夢想家)ホーキング博士は、テレビ放送(コスミックフロンティア)の中で、「急速な人口増加に対応するには、地球から脱出するしかない。」と語っている。また、サイエンス誌などにも、「急速な人口増加により人類が生きていくパイが無くなるだろう」と掲載されていた。
100億人時代が来る前に、生命誕生以来の弱肉強食の連鎖はおわりを注げるだろう。
 しかしそれは未来の予想であり、当面はADを含む認知症と云う疾患の進行をいかに止められるかにあるだろう。
                      2012/4/30の早朝 
                        今川正樹    

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