アルツハイマー病(AD)の患者は病状の程度が進行する速さに応じて、環境の変化に適応する能力が急速に衰える。
今年上陸した台風は日本列島に大きな被害をもたらした。台風や豪雨等による自然災害は、私たちの社会生活に多大な影響を及ぼし、被災者のなかには生活が一変した方も少なくないであろう。高齢者、特にADの患者はこの変化に適応する能力があるだろうか。以前にも述べたが、高齢者にとって転居は病状を進行させることとなり、これはADの初期に危険因子として作用する。
近年の地球を取り巻く環境の変化は、私たちに何を問いかけているのだろうか。生命誕生以来36億年もの時の流れを人類というホモサピエンスが止めるかもしれない。現代に生きる人類へのメッセージであると受け止めている。
2013年11月6日 今川 正樹