アルツハイマー病(AD)に関するここ1~2年の動きは、進行を抑える「治療」から「ケア(介護)」に移っており、先進諸国も日本と同様の方向にある。
人は産声をあげてこの世に現れ、何れは社会に組み込まれて行く。
この産声という現象の中には、生と死が潜在していることと考える。死はあらゆる生命体にある仕組みである。
高等動物の中でも人類のみが二足歩行の進化を遂げた動物であり、地球環境の変化に適応し、進化し続ける動物であるとも云える。われわれ現代人は、人類学的には「ホモ・サピエンス・サピエンス」と呼称されている。かつての「ヒト」から「人」へと進化し、現在では「人間」と云う社会的存在となり、特に脳の進化が今世紀に於いて科学技術を更に進化させた。
先進国ではこの人間の寿命が高齢化し、日本では脳の変性疾患、特にADに罹患する人々が速いスピードで増加している。進行を遅らせる治療薬にもかげりが見え始め、今後はケアを軸とした介護が重要な役割を担う段階にある。
今、産声をあげた乳児の未来を想像すると、太陽の輝きが午後3時の色光に変わっているのではないだろうか?
2013/11/19
晩秋の風にさらされている日
今川正樹
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