前回の続きで今回も、納豆やみその発酵食品が死亡率低下に関連しているという研究成果をお伝えしたいと思います。
国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの研究で発表されたものです。詳細は前回のブログをご参照ください。
死亡原因との関連を見ると、がん死亡リスクに関しては男性、女性ともに大豆製品摂取量と有意な関連が見られなかった。その一方で循環器疾患死亡との関連は、男性において、発酵性大豆食品(納豆とみそ)の摂取量および納豆の摂取量、女性においては納豆の摂取量と有意な関連が認められた。
具体的には、男性において発酵性大豆食品の摂取量が最も少ない第1五分位群(13.4g/日未満)に比べ、摂取量が最も多い第5五分位群(50.2g/日以上)の循環器疾患死亡のハザード比は0.82で18%リスクが低かった。同様に、納豆を摂取しない群に比べ、摂取量が最も多い群(26.2g/日以上)のハザード比は0.76で24%リスクが低かった。女性では、納豆を摂取しない群に比べ、摂取量が最も多い群のハザード比は0.79だった。
総大豆食品摂取量は死亡リスクとの関連が見られず、発酵性大豆食品の摂取量との関連は有意という結果について、研究グループでは「発酵性大豆食品は加工の過程で、大豆に含まれている成分の消失が少ないことが理由の1つではないか」と考察している。
という事で大豆の成分が循環器系の疾患の予防によいということでした。以前このブログで、睡眠時無呼吸症候群の治療は循環器系疾患予防に重要というお話しをしました。
併せて覚えて頂ければ幸いです。
今年に入ってから立て続けに、長芋は認知症予防によい、納豆とみそは死亡率低下によいという研究成果が出たのでお伝えしました。
次回は、認知症専門外来の質問第二位
認知症予防のためには、なにをしたらいいですか?
について最新の研究成果からお話ししたいと思います
今回も御一読いただき誠にありがとうございました。
文献1)2020年2月9日 ダイヤモンドオンライン ヘルスデイニュース
2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社