今回は、前回に引き続いて、アミロードβを減らすという観点から、リコード法を用いた認知症予防の為に良い食事をここから数回に分けて、御紹介していきます。
まずは、以前にこのブログでもご紹介したので、復習になりますが、リコード法とは、米国のデール・ブレデセン医師により開発された、アルツハイマー病を主なターゲットとしたオーダーメイドの治療システムです。2014年にその原型となるプログラムが論文として発表され、昨年夏にアメリカで書籍が出版されベストセラーになりました。日本でも翻訳本が発売されています。
リコード法の特に画期的なところは、「アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβ(以下、Aβ)が蓄積する背景に着目した」点です。これまではAβがアルツハイマー病の原因物質と考えられていました。したがって、従来のアルツハイマー病の予防や治療法はAβの蓄積予防や除去を主な目標としています。
しかし、最近の様々な研究からは、Aβは炎症や栄養不足、毒性物質の暴露などに対する防御反応として増加するらしいということがわかってきました。Aβが増える原因があるのならば、それを放っておいては根本的な治療になりません。そこでリコード法ではAβが増える原因や認知機能低下につながる要因を探るため、様々な検査を実施し、一人一人にあった生活習慣改善プログラムを作成して提供しています。
中でも食事は最も重要な要素の一つで、リコード法の食事法は「ケトフレックス12/3」と名付けられている特徴的なものです。次回は、ケトフレックス12/3の基本、ケト(=ケトン体)についてご紹介したいと思います。
今回も御一読いただき誠にありがとうございました。
文献1)アルツハイマー病の真実と終焉
文献2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社