今回は、前回の続きとして、ケトフレックス(ケトフレックス12/3)についてご紹介させて頂きます。ケトフレックスは、アミロイドベータを減らす可能性が高い食事として今注目されています。
「ケトフレックス」のケトとは、脂肪を利用して「ケトン体」というエネルギー源を作れるような状態にするということです。ケトン体はブドウ糖と同様、脳のエネルギー源になる物質です。
アルツハイマー病の脳ではブドウ糖がうまく使えないため慢性的なエネルギー不足に陥っていますが、ケトン体は利用できます。脂肪を分解してケトン体がたくさんできれば、脳のエネルギー不足が解消され、認知機能の改善が期待できます。糖質の摂取が多いとケトン体はできないので、糖質の摂取はできるだけ控えます。
そのかわり、ナッツや卵、青魚などタンパクが豊富な食品や、オリーブオイル・エゴマ油・亜麻仁油などの認知症予防に役立つ脂質でカロリーを補っていきます。ケトン体になりやすい脂質であるMCTオイルやココナッツオイルなどを利用するといったことも有用です。
最近、話題のMCTオイルですが、ご存知ない方のために、ここで確認しておきましょう。
ただし、APOE遺伝子のε4型がある場合は、MCTオイルやココナッツオイルを体内でうまく活用できないので積極的な使用は控えましょう。
当院ではこのAPOE遺伝子の検査を、自費診療でさせて頂いております。
ご興味がある方は当院にお電話いただき、ぜひご相談ください。
今回も御一読いただき誠にありがとうございました。
文献1)アルツハイマー病の真実と終焉
文献2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社