生命と老化(3)

今川クリニックの院長ブログ

生命の基本は細胞であり、細胞は原核細胞と真核細胞の二つに分類される。
原核細胞と真核細胞の違いは、細胞の中に核を持っているかどうかである。
又、真核細胞の細胞質には細胞内小器官があり、それぞれの小器官が生命維持に一定の役割を担っている。ヒトはこの真核細胞の集まりであり、即ち組織だった多細胞系である。
一つの受精卵が子宮と云う臓器の内壁に着床することで細胞が分裂を繰り返し、個々の臓器となる多細胞系がヒトへの出発である。
ここで重要な化学用語を記載しておく。

  1. ?酸化―還元反応
    この化学反応は電子の受け渡しに必要で、細胞自体が生命を維持する重要な一つの現象である。生命誕生の条件に、炭酸ガス・水・電子は必要不可欠である。36億年前、太陽からの光量子が電子を地球上に伝搬することでこの化学反応が成立し、結果、地球上に酸素が生成され、目に見えない生命体から生き物の進化が始まった。
  2. ?細胞分裂
    この現象がなければ進化の道はあり得ないし、地球上に多様な生き物は存在しないであろう。ポイントは遺伝子の複製と云う情報と遺伝子の突然変異である。

1と2から解る事は、細胞内において生物学的エネルギーの生成に依り、このエネルギーを使い細胞分裂を進める訳である。今日的言葉で云えば、細胞分裂とは情報の進化と考えられる。
酸化―還元反応は生き物にとり諸刃の剣であり、生命の進化はこの化学反応と密接な関係にある事を次回に述べたい。

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