ADの危険因子に関しては、高齢、遺伝、心疾患、糖尿病等が挙げられるが、私見を述べると、その中でも、まず心疾患があるかどうかを調べる必要性があると考えている。
最近の診療に於いて、ADの患者に心電図検査を実施すると、ほとんどの患者に狭心症や不整脈等の異常所見が観られる。70歳以上の高齢者を診療するにあたり、心疾患は見逃せない病気のひとつであり、ADと同時に治療を行う必要がある。仮にADの患者に心疾患の治療を行わない場合、突然死が生じることもある。また、現在発売されている認知症薬を投与する場合は、更に注意を要する危険因子の一つであろう。
2013/9/9 秋の日差し
今川正樹