リコード法の基本と尼崎療法の共通点(2)

今川クリニックの院長ブログ

今回の、リコード法と当クリニックでの尼崎療法の共通点についてお話ししたいと思います。今回からは、より実践的な内容になっております。

ホモシステイン値が上昇すると血管と脳にダメージ

普段の食事とその栄養素に注目することがリコード法と尼崎療法との共通点となります。

ホモシステイン値が高い事はアルツハイマー病の重大要因と考えられます。ホモシステインは、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物です。

シナプス喪失の3つの原因(炎症、シナプス補助栄養因子の喪失、毒素)のうち、ホモシステインは炎症とシナプス栄養補助因子の指標と考えられています。

炎症マーカーでもあるが、栄養の供給が不足しても値が上昇します。

ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸、アミノ酸ベタインが欠乏すると、ホモシステイイン値が上昇し、脳と血管にダメージを与える事になります。

ホモシステイン値が6より上昇するほど、海馬の委縮が速くなります。

ホモシステイン値を低く最適に保つには、ビタミンB6、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB12が活性型で十分な水準にある必要がある。

なお、活性型ビタミンB6はP5P(ピリドキサール5リン酸)の事、活性型葉酸はメチル葉酸の事、活性型ビタミンB12はメチルコバラミンの事である。

具体的には検査値が以下の水準にある事を目標となります。

・(活性型)ビタミンB6:30~60マイクログラム/L(mcg/L)

・(活性型)葉酸:10~25ng/mL

・(活性型)ビタミンB12:500-1000pg/ml

ビタミンD3は脳のシナプス生成と維持に不可欠

ビタミンD3は900以上の遺伝子を活性化するが、その遺伝子にはリコード法にとても重要な「脳のシナプス生成と維持」に不可欠なものもある。その為、これらの遺伝子と、その遺伝子を活性化するビタミンD3は、脳シナプスの生成と維持に必要不可欠、ビタミンD3が足りないと、適切な遺伝子が正しく活性化されない。

(ビタミンDの目標値)

血清25ヒドロキシコレカルシフェノール(不活型ビタミンD3)値:50~80ng/ml

当クリニックでは、初診時から血中ビタミン濃度や血中鉄濃度を測定し、栄養状態を確認したうえで、適切な血中ビタミン、鉄濃度を保てるように頻回に血液検査を実施しております。患者様へのご負担は重々承知しておりますが、認知機能改善、もしくは認知機能低下進行抑制のためには血中濃度測定は必須であると考えております。そのほか、栄養指導などにも力を入れて取り組んでおります。

次回は、最近ダイエット関連の特集でも話題の糖質についてお話ししたいと思います。

今回も御一読頂き誠にありがとうございます。

参考

 現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄    

アルツハイマー病 真実と終焉 ソシム デール・ブレデゼン    

東洋経済オンライン2018年2月16日。5月11日

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