生命と老化(2)

今川クリニックの院長ブログ
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ドイツの病理学者ウィルヒョーは、1868年、生命の最小単位は細胞であると唱えた。
細胞は、原核生物と真核生物とに分かれている。
ヒトは真核生物であり、その細胞の整然とした構成の秩序に従い、人体の各組織が成り立っているのである。
例えば、母体の羊膜の中で臍帯という命綱を通し、地球上の生命が時間の歩みを猛スピードで走り、ヒトの生命の誕生へと進んでいる。
私見に依れば、母親の中にある羊膜腔はひとつの宇宙である。
生まれつつある細胞もまた分化しながら多細胞系となり、更に胚葉に進化しながら子宮に着床する。この時点から母胎と命綱が生まれ、ヒト化へのタイムトンネルに向かって生命進化のプログラムに乗り、時間は地球人への道案内をするのだろう。
無機物質が、人知を超えた時空の過程で有機物質へと変化する現象は未知であるが、生命誕生の道のりはそこにある。只、細胞という原始生命がヒトを構成する真核細胞へと進化する過程は、明確にはされていない。
ヒトから人への道を、母体は命綱を通じて無限の情報を胎児と交流している。胎児の細胞自体が、一つの小宇宙なのである。
ところで、天体学的に例えて、胎児が通過する母体の膣空間をブラックホールだとすれば、膣空間は人知を超えた世界なのであろうか。

3回目は、地球世界に現れた新生児の生命の営みを細胞レベルで焦点を当て考えてみたい。

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