生命と老化(1)

今川クリニックの院長ブログ

天体物理学者或いは天文学者達が現在まで太陽と同程度の恒星を太陽系外に探索していることが専門誌以外に新聞、雑誌等々で一般向けに報告されている。
最近サイエンス(Science)誌上でケプラー無人宇宙探査機が太陽系から遥か遠くに達していることの予想図を付け、私の理解する範囲では、太陽系に類似している恒星を探索していることを説明していた。それは取りもなおさず生命体の存在の可能性を探索していることに他ならない。地球上の生物と同じ構成原子であろうと彼らは推測している。
地球上の生命誕生から現在まで多種多様の生き物が存在し、地球環境に適応しながら個体の生命が種の保存の法則に従い、その生命が生誕の過程を通し、生長から老化の段階に至り、生を終えることが生命現象の本質であることは大半の人が知るところであろう。
ヒトに焦点をあてれば、文明の発達(進化)がなければ個体の寿命は20歳までと推定されていることを人類学の書物を通じて知った事がある。

今年の朝日新聞(2011/4/7)の朝刊の記事(国連)によると、日本人に限って云えば西暦2070年には一億人を下回り、2100年には日本人の平均寿命が男性で89歳、女性では95.7歳になると推定している。
少子高齢化の現在においても、問題になっている認知症、とりわけアルツハイマー病の患者が増加の一途を辿っている日本に於いてこの疾患の問題は巷において深刻になっている。
60年先に高齢者が全て日々健全に生活を送っていると想像出来るであろうか。私見に基づいて云えば、認知症を専門とする一介の医師として考えられない。
青年の頃、映画の題名は忘れたが、人があまりにも長生きし過ぎて、生きている事自体に癖壁となり、一粒の何か分からない物を飲みスクリーンを前にして床に寝ころび、ベートーベンの交響曲(田園)の音楽と共に在りし日の地球ののどかな風景が流れ、静かに死んで行くシーンがあり、強く印象に残っている。

生命の誕生の鍵は地球上にふりそそぐ太陽の光、物理学の言葉に変えて云えば光量子である。
次回は生命現象について、細胞が生き且つ死の過程から述べたいと考えている。

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