高度の人間社会(現代人)へと進化しているヒトの原点は、猿人(Australopithecus)が進化の途上で分岐し、150年前にホモ・エレクトスがヒトからネアンデルタール人を経てホモ・サピエンスに進化する。さらに人類学上、現代人はホモ・サピエンス・サピエンスに達し、なお進化の途上にある。
ヒトの生命展開が始まる条件は、受精卵(一個の精子が成熟した卵子の中に入った瞬間)からである。この受精卵が卵管の中を7日間の旅を経て、子宮粘膜に着床することである。その時点から母胎と繋がり、胎盤を通じてヒトから人に至る道を胎児と母胎が交流する。この過程の10ヶ月程経て、子宮頸部(ブラックホール)を通過し、オギャーと第一声を発する瞬間に人間社会、つまり家族の一員となる。
想えば、150万年の過程をわずか10ヶ月のタイムでホモ族の歴史を歩んだことになる。種族(人間社会)と種の保存は地球環境が生み出した生命の原理であろう。35億年前に起きた化学反応即ちレドクス反応(酸化-還元反応)が起きなければ生命の誕生は無かったであろう。
ところで私見を言わせて頂ければ、生と死の現象はレドクス反応と時間の流れにあると考えている。
この地球上においてヒトを含め無数の生命が生まれているだろうが、現在の地球上の人類の存続、或いは進化の故にヒト以外の高等生物が、人間社会つまり人類の進化により、消滅の方向にあると人類学を専門とする人々が訴えている。
次回は、生命の進化と劣化について述べる予定です。
2012年1月11日 今川正樹