今回も睡眠をテーマにお話しさせて頂きます。
意外と知られていない事実として、いい睡眠をとる一番のコツは、 眠くなってから寝床に入ることです。寝具にこだわる、お金をかけるのもよいと思いますが、まず一番簡単にできるこの事実を抑えていきたいです。
寝床に長くいすぎていませんか
図2: 年代ごとの睡眠時間
早寝早起きは結構ですが、眠気がないのに「やることがないから寝床に入る」ことはやめましょう。寝つきは悪くなりますし、中途覚醒が増えてしまいます。年齢を重ねるごとに実際に眠れる時間は短くなります【図2】。若い頃の睡眠時間を望むのは無い物ねだりと言えましょう。
図3: 年代ごとの入床・起床時刻
一方で寝床にいる時間はどうでしょうか。高齢者ほど寝床に入っている時間が長いことが分かっています【図3】。睡眠時間が短くなるのに寝床にいる時間が長くなる…。結果として眠れぬままに寝床でうつらうつらしている時間が増えて睡眠の満足度も低下してしまいます。
また、もちろん、寝床に入ってから、テレビ、携帯、ラジオなどはやめましょう。 睡眠の質をすごく下げます。ちょっとした生活習慣を変えるだけで、良い睡眠が取れることになります。是非試してみてください。朝すっきり起きれるようになれるでしょう。
今回も御一読頂き誠にありがとうございます。
参考:現代臨床精神医学 金原出版株式会社 大熊輝雄
e-ヘルスネット 厚生労働省
榎本みのり 認知症の睡眠障害.
老年医学 45:739-743, 2007.
三島和夫
高齢者・認知症患者の睡眠障害と治療上の留意点.
精神医学 49:501-510, 2007.
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(精神保健研究所・精神生理部)