最近、認知症行方不明者のニュースや特集番組が、メディアで多く取り上げられている。
Alzheimer disease(AD)の周辺症状のひとつに徘徊がある。徘徊は、方向感覚の著しい欠如に由来する。本人自身は、混乱しながらも、例えば故郷に帰ろうという強い思いから、飲まず食わずの状態で、思うが侭に歩いている訳である。この現象は視覚性認知の衰えに拠るものであり、やや高度の認知障害の段階で生じる。対策は様々であるが、患者本人の故郷に帰りたいという一念を抑えることは出来ない。
認知症患者の徘徊による行方不明や事故が深刻な社会問題となっている今日、どうすればよいのか?頭の痛い問題である。
日差しに満ちた午後 2014/7/4 今川正樹