透明な脳 ~第二章 記憶と実生活 不登校体験②

今川クリニックの院長ブログ

おなじような感動を、武庫川の川岸を飛ぶ蛍をみたときにも覚えた。暗闇のなかで、たったひとつの光が揺れていたにすぎないが、わたしは生命とはいったいなにかを考えた。わたしにとっての自然科学の出発点であった。しかし、学校の勉強は相変わらずそっちのけで、アリを観察したり、水槽でお玉じゃくしを飼ったりして毎日を過ごしていた。こんな生活をしていたから、学年があがるにつれて、科学関連の知識なら自然に頭に入るようになった。医師になったのも、科学への興味が拡大した結果にほかならない。

幼少時に、心のそこからなにかが面白いと感じる体験は、非常に大切なことだといわなければならない。それは早期の英才教育よりも、知力の発達により大きな影響を及ぼすのだが、最近は子供達が遊ぶ環境すらなくなっているのが実情だ。

自著「透明な脳」より

関連記事

  1. 今川クリニックの院長ブログ

    師走

  2. 今川クリニックの院長ブログ

    適応障害について ②

  3. 今川クリニックの院長ブログ

    もしかして認知症?

  4. 今川クリニックの院長ブログ

    慢性ストレスは認知機能を低下させる大きな要因<リコード法の基…

  5. 今川クリニックの院長ブログ

    認知症治療に必要なキョウヨウとキョウイク①

  6. 今川クリニックの院長ブログ

    認知症と薬剤治療法の限界

最近の記事 おすすめ記事
  1. 新年に寄せて

    2024.01.9

  2. 今川クリニックの院長ブログ
    新年のご挨拶

    2024.01.1

  3. 今川クリニックの院長ブログ
    年末のご挨拶

    2023.12.27

  1. 今川クリニックの院長ブログ
  2. 今川クリニックの院長ブログ
アーカイブ