透明な脳 ~第二章 記憶と実生活 不登校体験①

今川クリニックの院長ブログ

わたしは医師の免許をもっているせいか、幼児期から学校の成績がよかったかのように誤解されているふしがあるが、事実はだいぶ違っている。正直に告白すれば、わたしは自分に興味がないことには全く手がつけられない。関心があることは徹夜してでもやるが、関心のないことには見向きもしないたちだった。興味がないことを機械的に暗記することなど、とても耐えられなかったのだ。

だから小学校の成績は悪かった。学校があまりにもつまらない所のように思えたので、よく学校を怠けていた。今でいう不登校児である。たまに学校へいくと、取っ組み合いの喧嘩ばかりしていた。家でなにをしていたかというと、自然現象や動物の観察である。特に天体に興味をもち、夜になると空を見上げて星を観察したことを記憶している。闇が立ち込めた南の空に、ひときわ明るい光を放つオリオン座を見たとき、宇宙の神秘さに打たれた。

自著「透明な脳」より

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