周辺症状について

今川クリニックの院長ブログ

周辺症状についての家族、介護者からの訴えで当クリニックにおいて最も多いのがもの盗られ妄想をふくめた妄想である。

一番典型的なのは、お金、通帳などを盗られたというものであるが、他にも着物や下着、日用品、食品などいろいろな物品の訴えがあるので、家族・介護者は余計に困惑する。このもの盗られ妄想が悪化すると、警察に連絡する、カギを何度も交換するなどの行動にでて、非常に対処に苦慮するようになります。

次によく見るのが易怒性、おこりっぽくなるです。そしてこれがひどくなると、攻撃性に繋がったり、介護拒否に繋がってきます。これらを認知症における陽性症状と当クリニックでは呼称しています。これらの症状は、何よりも早期に解決しないといけません。何故なら、数日から数週間の遅れがアルツハイマー病患者と家族、介護者の間に決定的な溝を作る可能性があるからです。当クリニックでは、初めての診察の際でも特にこれらについて詳しくお話を伺います。状況によっては、認知症の中核症状に対する治療よりも優先して治療を開始します。

認知症の患者様の周辺症状に対し、家族・介護者が注意しても患者様は認知症の症状によりその具体的な内容を理解して覚えておくことができません。しかし、人間に備わった本能により怒られた事のみは記憶します。そのため、患者様としては、「私は何も悪いことをしてないのにすぐに怒られる」と認識してしまい、それを他人に伝えるようになります。これが家族・介護者のストレスを大きく増大し、溝を生じていきます。

これらを解消するために当クリニックでは陽性症状を早期発見し、早期治療を開始します。

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