「なんとなく疲れやすい」
「あまり食欲がない」
「朝食はコーヒーだけですませる」
「年齢とともに食事の量が減った」
最近、このようなことはありませんか?
日々の健康管理やダイエットを意識して、野菜やビタミンを積極的に取り入れている方も多いと思います。健康を支えるために必要な栄養素はほかにもたくさんありますが、今回は、みなさまにも身近な「たんぱく質」についてお話しします。
たんぱく質というと「筋肉を作る栄養素」というイメージがあるでしょうか。最近では、プロテインの含有量が明確に書かれたドリンクやヨーグルトなど、手軽に美味しく摂取できる食品を間食にとり入れる方も増えていますね。
筋肉にとって重要な働きをするたんぱく質は、私たちの身体を構成する大切な栄養素です。
体内のたんぱく質は体重の約20%を占めると言われていて、筋肉だけでなく皮膚や髪、臓器など、さまざまな組織の材料として使われています。さらに、身体の機能を調節する酵素やホルモン、免疫に関わる物質などをつくるためにも欠かせません。
つまり、たんぱく質は筋肉のためだけの栄養素ではなく「私たちの身体を維持するための基本的な材料」として重要な役割を担っているのですね。
たんぱく質が不足するとどうなる?
高齢になると食事の量そのものが減り、肉や魚の摂取量も少なくなってしまいます。
そうしてたんぱく質の摂取量が不足すると、筋肉量の減少につながり、次のような悪循環を招くことがあります。
- 疲れやすくなる
- 歩くことがおっくうになる
- 外出や活動が減る
- さらに食欲が落ちる
- 転倒リスクがあがる
- 怪我をしても治りにくくなる
歳を重ねるにつれて、転倒による骨折が問題になることがあります。「おっとっと」と、つまずいた時に体勢を立て直すためには、筋力やバランス能力が必要で、こうした機能の低下も転倒につながる要因の一つと考えられます。
また、認知症のある方は、病気の進行に伴って食の好みが偏ったり、食事をしたことを忘れてしまったりすることがあります。その結果、栄養が不足し、筋肉量の減少につながることもあります。
認知症のある方を支えるご家族にとっては、「何を食べたか」だけではなく「毎日きちんと食べられているか」という視点も大切です。
たんぱく質は「脳」にも必要です
食事から摂ったたんぱく質は、体内でアミノ酸に分解されます。これらのアミノ酸は、やる気や意欲に関わるドーパミン、気分や睡眠などに関わるセロトニン、覚醒や記憶に関わるヒスタミンといった、脳内の神経伝達物質をつくるための材料にもなります
脳や神経の働きを支えるためには、たんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラルなど、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
また、加齢に伴って脳や神経の働きにも変化が生じます。日々の食事で必要な栄養素をしっかり摂り、心と身体の健康を支えていきましょう。
たんぱく質、足りていますか?
では、私たちは毎日どのくらいのたんぱく質を摂れば良いのでしょうか?
たんぱく質の必要量は、年齢や体格、活動量、健康状態などによって異なります。
一般的に、成人では体重1㎏あたり1日約0.8~1.0gがひとつの目安とされています。
女性ですと1日約50g、男性は1日約60gを摂取するのが目標となります。
ただし、高齢の方や筋肉量が減少している方、病気のある方などは、より多くの摂取が必要となる場合もありますし、一方で、腎臓の機能が低下している方などは、摂取量に注意が必要なこともあるため、個々の健康状態に合わせることが大切です。
たんぱく質はどんな食べ物に含まれているの?
たんぱく質は、特別な食品だけに含まれているわけではありません。
毎日の食事でおなじみの食品から摂ることができます。
- 肉・魚:鶏肉、豚肉、鮭、さば、ツナなど
- 卵:ゆで卵、卵焼き、茶碗蒸しなど
- 大豆製品:豆腐、納豆、豆乳など
- 乳製品:牛乳、ヨーグルト、チーズなど
脂質が少なく食物繊維が豊富で消化吸収が穏やかな「植物性たんぱく質」と、必須アミノ酸を多く含む「動物性たんぱく質」の両方を意識して摂ると、それぞれがもつ栄養成分の相乗効果が得られます。
大切なのは、一度にたくさん食べることよりも、朝・昼・夕の食事に分けて無理なく取り入れることです。「しっかり食べなければ」と思うと、かえって負担に感じてしまうことがありますが、食欲がない時には、豆腐や茶碗蒸し、ヨーグルトなど食べやすいものからお召し上がりいただくと良いでしょう。
毎日のお食事は、私たちの身体だけでなくこころの健康を支える大切な栄養素となり、小さな積み重ねが健やかな暮らしにつながっていきます。
皆さまの忙しい日々の中で、このブログがご自身やご家族の食事を見直すきっかけとし少しでもてお役に立てれば幸いです。
これからも元気に。自分らしい毎日を過ごすために。
できることから取り入れてみてください。
















