前回は、うつ病とアルツハイマー病(以下ADと略す)との関連性を述べましたが、今回は、うつ病の原因や特徴ある症状について述べていきます。
うつ病がなぜ起こるのか?うつ状態は思春期以降に発症し、かつ様々な病態がありますので、ここではうつ病を発症する危険因子をおおまかに分類してみます。
1. 遺伝
祖父祖母に始まり、次の子孫にもうつ病にかかりやすい傾向があります。
2. 気質
精神医学上、人格障害を除き、人の性格は3タイプに分類されます。循環性気質、てんかん気質、統合失調性気質です。これらの気質はひとりの人間が持ち合わせているものです。人により、どの気質が混在しているかは様々です。
3. ストレス
現代社会に組みこまれている人々は、デジタル化に合わせて日常生活を送ることを余儀なくされ、心にストレスが溜まりやすくなる傾向があります。昭和40年代頃は現代よりストレスが少なかったように思います。
4. 情動性うつ
喜怒哀楽のなかでも涙もろい症状があるのが特徴で、これにてんかん気質が加わると、周囲の何気ない一言で患者の感情が左右されることも多々あります。
5. 心因反応
仕事で注意され落ち込む等、心理的原因によって引き起こされるもの。
基本的な症状として、目覚めが悪い、布団からなかなか立ち上がれない、昼頃から元気になる、このような傾向がある方は、いわゆる「うつ病」です。また日により気分の変動があり、突発的なストレスでパニックになることもあります。
前回も述べたとおり、うつ病の方は、ADまたは軽度認知障害を合併していることがあります。また、情動性うつ病からADへと進むケースも多くありますので、症状を慎重に観察することをお勧めします。
猛暑が去った夏の終わり 2013/8/28
今川正樹