2013年の時間が2014年の時間にバトンタッチする。地球上の生き物たちが、この一年、如何に生産的に命を燃焼させるだろうか?このことは、生命体が地球上で進化しながら、何回かの絶滅を繰り返し、現在の生命体が存在していることを意味する。
例えば、日本民族の現状はどうだろうか?
2014年の年明け草々、メディアは高齢者と認知症の人々にとって生活しやすい環境を整えるためにはどうしたらよいのか?苦悩の発信をしている。ますます少子高齢化が進み、且つこの現実に対して無力に近い。しかしこのまま茫然自失としているわけにはいかない。ようやく自治体が動き出したところである。一人ひとりの【生きる】と云う、エネルギーを作り出す前向き思考がなくなると、日本民族が滅亡する先が見えている。
現実に、私のクリニックの患者と家族の【生きる力】とは如何なるものか。それぞれの家族が患者を中心に厳しい社会環境に対峙しながら、2014年の時間の【命】を歩んでいる。元来、日本人の特性の一つとして、自然の猛威を目の当たりにして初めて自分自身の【命】の尊さを知る傾向が強い。
認知症患者、特にアルツハイマー患者は、自我を緩徐に失いながら、日々不安感と闘っている。診察の中で、坂本九の「上を向いて歩こう」の話や、「心臓が止まらない限り、あなたには【明日】があるのですよ」と、私が患者や家族に語りかけると、診察室から【生きている】笑いが自然に生まれて来る。これを私は【生きる】糧としている。
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2014/1/14 底冷えの夜
今川正樹