透明な脳 ~第五章 消えていく脳②

今川クリニックの院長ブログ

アルツハイマー病は認知症のうちのひとつである。発病のメカニズムはすべて解明されてはいないが、病状として、脳に多数の「老人斑」や「神経原線維変化」があらわれることなどが知られている。

老人斑とは、読んで字のごとく、脳にできる「斑」あるいは「染み」である。極めて大まかな解説になるが、これはタンパク質の老廃物が固まったもので、脳の神経細胞であるニューロンを殺すいたずらをする。老人斑は正常な人でも高齢になれば、ある程度までは見られるが、アルツハイマー病に侵されたひとの脳には、正常な高齢者よりも数が多い。

また、神経原線維変化というのも、やはり脳にできる「斑」や「染み」のひとつだが、老人斑とは違って、脳の細胞内に糸くず状になって固まる。神経原線維変化も、やはりアルツハイマー病を発症していない高齢者の脳にもあらわれる。

自著「透明な脳」より

関連記事

  1. 今川クリニックの院長ブログ

    生きる

  2. 今川クリニックの院長ブログ

    年末のご挨拶

  3. 今川クリニックの院長ブログ

    科学技術の変遷と進化

  4. 今川クリニックの院長ブログ

    透明な脳 ~第三章 風景を解釈する脳 脳が認識する世界①

  5. 今川クリニックの院長ブログ

    認知症患者の徘徊について

  6. 今川クリニックの院長ブログ

    アドラー心理学と稲盛和夫先生の考え方の共通点

最近の記事 おすすめ記事
  1. 新生活

    2024.04.17

  1. 今川クリニックの院長ブログ
  2. 今川クリニックの院長ブログ
アーカイブ