テレビ番組の人気ジャンルの一つに医療系番組がありますが、 特に最近は、毎日のように認知症予防についての番組があります。
当クリニックは20年前から認知症予防の重要性を前今川院長がずっと訴えていたのでうれしい限りです。その認知症予防にまつわる最新の医療技術を実際のテレビ番組を例に挙げてお伝えしたいと思います。
2019年10月15日、たけしの家庭の医学
【これ以上 脳を老けさせない!認知症2つの最新予防法】SPから。
まず、目につくのは、お化け屋敷で認知症発症リスクのチェックをするという点でした。詳しくお話ししますと、
これまで認知症の原因は脳にたまるアミロイドβという物質や、海馬と呼ばれる場所の萎縮などと言われてきたが、認知症の予防・改善のために、いま医学界で注目されているのが、脳の表面を覆う神経細胞の塊の部分。この脳の神経細胞が減り始めている人は、近い将来、認知症を発症する可能性が高いという。そして脳の名医、猪原匡史先生(国立循環器病研究センター 脳神経内科部長)によれば、身の危険や恐怖を感じた時の行動を見ると、脳の神経細胞が減り始めているかどうかがわかるという。 そこで今回は、脳の老化が気になる60代から70代の男女にご協力頂き、脳の神経細胞が減っているかどうかを検証。東京練馬区にある遊園地「としまえん」のお化け屋敷を貸し切り、全長200mの道のりの至るところにゾンビが出現する恐怖の中で、被験者たちがどのような行動を取るかをウォッチングした。最初に挑戦した嶋田さんはカメラ付きヘルメットを装着し、大きな悲鳴をあげながらもゾンビの恐怖を楽しんで出口に到着した。次に挑戦した田澤さんは1分でリタイアし、その次の関谷さんも恐怖のあまり息子さんと付き添ってお化け屋敷に入った。
果たして将来、認知症を発症するリスクがあるのは、どの行動なのか?実際に被験者の皆さんの脳をMRI検査で調べたところ、ある人の脳の神経細胞に減少の兆しがあることが発覚する……。
被験者の皆さんの脳を検証するとある行動をとった人の脳が正常値よりも神経細胞が約12%も減少していた。その行動とは田澤さんがとったすぐにリタイアするという行動で、恐怖に対して諦める事が脳の神経細胞の減少と関係があるという。
認知症の鍵をにぎる神経細胞の塊の中には、意欲ややる気を司る側坐核が減少しやすいという。この部分が低下すると、恐怖を感じた時にすぐ諦めるという。普段の生活でも、家事などをするのが億劫に感じる方は要注意となっている。
このように、認知症の初期症状である、「何事もすぐにあきらめる面倒くさがる」を見逃さないのが大事になってきます。 次回は、特に質問が多い、認知症予防に効果がある物質、食べ物についてお話ししたいと思います。
今回も御一読いただき誠にありがとうございました。
文献1)2019年10月15日 たけしの家庭の医学
2)大熊 輝雄:現代臨床精神医学第12版 金原出版株式会社