熱中症に気を付けて
今年も厳しい暑さが続く季節になりました。この時期になると、ご高齢の患者さんのご家族から、「エアコンをつけてくれない」「勝手に切ってしまうので困る」「寒いと言ってドアや窓を開けてしまう」というようなお悩みをよく耳にします。
なかでも認知症のある方は、エアコンをつけることや水分補給を忘れてしまうことがあり、ご家族など周囲の見守りがとても大切です。
当院では、熱中症を予防するために、患者さん一人一人の生活環境や体調に合わせたアドバイスを行っています。また、ご高齢の患者さんにはエアコンの適正利用を促すためのチェックシートをお渡ししております。熱中症から身を守るための習慣としてぜひご活用ください。
熱中症の危険サイン
熱中症になると脱水や体内の電解質のバランスが崩れ、脳の働きに影響を及ぼすことがあります。特に高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくく、体温調節機能も低下しているため、室内でも熱中症になる危険度が高まります。
「ぼんやりする」「呼びかけても反応がない」「意識がもうろうとする」といった症状がみられた場合は、熱中症による意識障害かもしれません。高齢者やてんかんの持病がある方は、熱中症によって意識障害やけいれん発作が起こりやすくなる恐れがあります。暑い時期、熱中症を疑う場合は、無理をせず早めに医療機関にご相談ください。
次に高齢者に多い「てんかん」についてくわしく説明します。
高齢者てんかんとは
てんかんは脳の神経細胞が一時的に過剰な電気活動を起こすことで、意識障害やけいれんなどを繰り返す病気です。「てんかん=けいれん」というイメージがありますが、高齢者では全身のけいれんを伴わない発作が多いことが特徴です。
高齢者てんかんの症状チェック
- 意識がぼんやりして反応がなくなる
- 話している途中で会話が急に止まる
- 口をもぐもぐ、体をゆするなど、同じ動作を繰り返す
- 突然その時の記憶が抜ける(一過性全健忘)
- 全身のけいれん、手足のピリピリ・感覚異常、視覚や聴覚の異常など
いずれの症状にしても、数十秒から数分で改善し、発作後は普段どおりに戻ることも多く、上記のような「一時的な意識障害」が繰り返される場合は高齢者てんかんの可能性が考えられます。
高齢者てんかんと認知症
認知症は記憶力や判断力などの認知機能が少しずつ低下していく病気です。認知症がゆっくり進行していくのに対し、高齢者てんかんは突然はじまり短時間で改善する発作を繰り返すことが特徴です。
高齢者てんかんの原因には、次のようなものがあります。
- 脳梗塞や脳出血などの後遺症
- アルツハイマー病などの神経変性疾患
- 頭部外傷
- 脳腫瘍
- 原因不明
脳血管障害やアルツハイマー病の患者さんは、てんかんを発症するリスクも高く、「認知症だから」と見過ごしてきた症状が、てんかん発作である可能性も考えられます。特に患者さん本人は発作を覚えていないことも多く、ご家族や介護に携わる方が新たな変化に早めに気付くことが重要です。
当院の治療方針
当院は、大阪大学医学部附属病院てんかんセンターを拠点病院とする大阪府のてんかん診療医療機関として、てんかんの治療も行っております。けいれん発作の有無だけではなく、認知症や他の疾患との鑑別診断など、患者さん一人一人に向き合ったてんかん治療を心掛けています。
高齢者にとってこれからの季節は、複数の原因が重なりあって、より命の危険が高まる時期です。今回は熱中症やてんかん発作について取り上げましたが、この夏身近な人にいつもとちがう様子がみられたら、今川クリニックまでお気軽にご相談ください。















