私たちが、広く且つ一般的に人類学の研究をする時、チャールズ・ダーウィンの提唱した「進化論」に基づいて行っている。化石人類学の研究に於いてすら、化石から出土するデータを寄せ集め、人類の系統樹を作る状況である。雌雄の交尾という行為の結果、種の存続が守られる。この雌雄の交尾の連続が滅び、偶然に発見された化石から、後世の化石人類研究家が研究を通じてヒト科に属するのかを判断する。
話は変わるが、壮年期を過ぎると、生命の大半の種は保存或いは種を作る能力が下降へ向かう。この現象は単純に云えば、ここからが生命の進化(チャールズ・ダーウィン)の起点であろうと推察する。
生命が生まれる基本的な化学反応(レドクス反応)が原始地球上に生じ(35億年前)、この化学反応が多様な化学反応へと進み、さらに時が流れ、細胞が生まれる時点に達する過程で真核細胞が多細胞系のシステムとなり、さらにそれぞれの生命が進化の過程で獲得した形態になる道を進むのである。
この現象を人それぞれの個体からに充ててみれば、個体を構成している臓器も、壮年期を過ぎると劣化の過程に入る。その過程の途上で、個体に何らかの異常が生じ、結果的には個体そのものが、それを構成する生命の最小単位である細胞の新陳代謝の停止となる。 よって、種の保存を果たした個体は単なる物質へと変化する(死)。
2012年1月23日 今川正樹